第91話ソルジャーを殺すソルジャー
「殺す前に言おう。武器を置き、降伏しするなら命だけは助けてやる。ソルジャークラス1stとしての命令だ」
アドベンチャーと違いソルジャーには命令権が存在する。俺はクラス1stだ。extraの命令権以外で俺に命令権が存在するのは王家のみ、こいつらは1stではない。グレーの外装から3rdだとわかる。
「ふざけんな、誰がてめえの支持を聞くかよガキが!」
「敵の命令を聞くほど馬鹿ではありません」
「嘗められた物だ」
全員武器を抜いた。大剣、スピア、銃剣。個性的なメンバーだ。
「ロッジ!牽制しろ!ラックはロッジの護衛!」
「「ラジャァ!」」
ロッジも呼ばれた男が銃剣を構え、俺を撃つ。避けるまでもない、俺はそのまま撃たれた。今の俺は顔と手以外は龍鱗に包まれている。大剣も斬れないのに、弾が貫通する訳がない。
「ん、」
違和感を感じて心臓の上を触って見ると、弾丸と一緒に赤くべとっとした液体が指に着いた。どうやら龍鱗を貫通し、体内を軽く傷付けたようだ。だが、直ぐにその傷は塞がる。
「この弾丸、なんだ?」
「はっ?心臓を撃ち抜いたはずなのに何で、何で!」
「まぁ良い、俺を傷付けたお前から殺す」
「ひっ、ごぶっ」
「ロッジ!!!!」
天世を抜き、ロッジの腹に刺す。そして、更に強く踏み込み、天世の先端は背中を貫通する。抜き取る時に腹を蹴り、えぐりだす。案の定、臓器か何かの肉片が付着している。俺は天世を振り、血と一緒に肉片を落とした。
「良かったな。選択を間違えて地獄行きだ」
「嘘だろ、ロッジ!ロッジ!」
「馬鹿!ラックさっさと避けろ!」
「はぇ? 」
俺の目の前でロッジという男に声をかけるラック。ちょうどよく首が見える位置だ。天世を首に振り下ろし、ラックの首を取った。
「腹、減ったな。久し振りに、、、嫌駄目だ。今は龍じゃない」
ラックの生首を見て旨そうだと思ってしまった。ドラグーンの記憶が戻ってから、龍神の時に人間を食っていた記憶も出てきて、、、
流石に食人までは堕ちたくないな。
「いらない」
脚を龍化させ力を込めて踏み潰す。頭の内容物が足裏にへばりつき、正直べとっとしているうえ、髪がざらざらして気持ち悪い。
「後はお前だ」
「くっ、糞がァァァァァァ!!!」
今度は腕を龍化させ、爪で大剣ごと男を斬った。
「人間食うのは止めるか、昔腹下したし」
人間の肉は旨いが、腹に悪い。ここにきて昔の教訓を思い出した。
「ふっ、、、俺は龍じゃない。今は人間だ、それに生肉よりもソテーやステーキの方が旨いしな。、、、ヤバイなまじで腹が減った」
血と肉片が飛び散る戦場で、俺は何を昼食にしようか考えている時、有ることを思い出した。僕がお世話している鉄騎隊に戦死者がいるようだと、ルシエラが話していた事を。
「戦車の砲弾だからこの辺りか。リジェネジェーション」
砲弾の爆発地点の物全てが再生する。えぐられた地面、吹き飛んだバリケード、粉々になった人間。
「この二人ですか、まぁ、此方の方が良いですね」
僕は龍神の姿となり、高らかに叫んだ。
「なんだ!」
「ひ!」
「目覚めたか、人の娘よ」
「なんだ、管理人さんか。脅かさないでよ」
「あのっ、管理人さん。怖いので人間に戻ってから喋って下さい」
「うむ、すまぬな」
前者は恐れを抱かず、普通に話し掛けてくる。普通は後者の様に我の姿を見れば全ての者が恐れ、膝魔付く、、、いや我が婚約者達には無意味か。
「やぁ、鉄騎隊の方。他の方は既に第二防衛ラインに移行していますが、二人には伝令として第一防衛ラインが復活したことを本隊に伝えてください。良いですね?」
「「了解です。コマンダー」」
鉄騎隊の二人を送り出してから、改めて正面に顔を向けました。あり得ない事態です、僕がここにいて良かった。
「組織の兵器とか聞いてないんですがね?」
どう考えで冗談で済ませられない機体が出てきたのだから。
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