第85話ソルジャー帰還する
とある近衛兵は思った
「う~」
「だぁ~」
「どうしたんだ?おしめか?う~ん、バレットの屋敷に行ければなんとかなるはず」
凄いな、ランバース殿は本当に年下なのか?
拾ったばかりの子供をこうもあやしたうえ、恐怖心を抱かせていない。はぁ、こういう人がモテるんだよな。今度、秘訣でも教えて貰おうかな。
「バレット、おしめあるか?」
「なっ」
俺の姿を見たバレットは顎が外れたように口を開いていた。仕方ない、近くのメイドに聞こう。
「すまない。子供用のおしめはあるか?」
「えっ、、、いえ、恐らくありません。あの、雑貨屋に行けば」
「そうだな。すまない」
とあるメイドは思った
「物凄く、ランバース様に似ていたわね」
私は長年ハーファシー家に使えていますが、ランバース様と言えばマリン様の幼馴染みで婚約者候補のお一人です、そんな方が二人の赤ん坊を抱えて歩いている。正直、これは面倒臭いことになりました。マリン様には絶対に知られてはいけません。
バレットは混乱した
「あれは、、、エスエル嬢? 」
俺の友人、ドラグーン卿の娘に瓜二つの子供を二人も抱えているバロ。どういう経緯なのか、、、まさか彼奴らの誰かを孕ませたのか?マリンは違う、セリエ様もそんな様子はなかった。鉄騎隊の奴等ならそんな事は、、、まさか外に女がいるのか?いや、奴の前世を知ってる身からすると、、、
バレットは自問自答し、答えの無い問題にのめり込んで行った。
「すみませーん」
「はーい、あらバロ君じゃない。どうしたの!その子供!まさか」
「いえ、仕事でモンスター生息圏に行ったのですが、そこで捨てられていたのです。可哀想なので僕が引き取ろうかと」
「あら、それなら孤児院の方が良いんじゃない?」
「いえ、どうせ管理人として家にいますし、こうやってね。そうだ、ベビーカーとかもありますか?」
「無いわよ用具店に行きなさい。あるのはおしめと粉ミルクだけ。」
「では、おしめを1ヶ月分、粉ミルクを1週間分ください」
「はい、1400ギルね、、、丁度お預かりしました。バロ君、辛くなったら言いなさいよ。皆手伝うから」
やっぱりバレタニアの住人は優しいですね。裏がない好意、押し付けじゃない好意、とても有難い。
「その時はお願いしますね」
僕は雑貨屋をでて用具店に向かいました。
「やぁ、バロくんんんん!!」
どこもかしこも々反応です。
「赤ん坊を拾いまして、可哀想だから育てようかと、それでオススメのベビーカーはありますか?」
「そんな猫じゃあるまいし、まぁ良いけどさ。ベビーカーは二人乗りの方にするよ。後、サービスでベビーベッドもつける。後で第4棟に送るよ。それで代金は46500ギル、高性能品質だから許してね」
「有難いございます。それでは」
「うん、丁度お預かりしました」
僕は用具店の旦那さんの言葉に浮かれ第4棟に急いで戻りました。一波乱あるとも知らずに。
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