第45話町並み
「ふあーー!バロ様、セリエ様、見てください!全部木造ですよ!」
「そうね、フフッ。」
「前見てないと怪我するぞ、副長さんも言ってやって下さいよ。」
「いえ、お嬢様がこのようにはしゃいでいるお姿は珍しいのでつい。」
そう、来てからはマリンが一番はしゃいでいるのです。見たことのない建物、自分の知らない存在。それらに興味を示す姿は僕達にとって微笑ましい以外の何者でもありません。
「あの箱はなんですか!」
「あぁ、導力バスですね。うち(ターシェ王国)のランドカーのパクリです。乗れる人数は見た限り約20人、だいたい同じです。速度は、、、まぁ、御察しでしょうね。」
「飛んでるのは」
「導力飛行挺ですね、武装がついているので森林警備隊の物でしょう。まぁ、うちの魔導船には劣りますが。」
「ううぅ、、、、バロ様はなんで夢を壊すんですか!」
何故か胸をポカポカと弱い力で殴られています。何故でしょう、我々の技術は世界の最先端を行っている。それは周知の事実、誇れることのはずなのに。
「う~ん、これはあんたが悪いわね。」
「甲斐性ぐらい見せて欲しい物だな。まぁ、ルシエラが騒ぐでしょうが。」
ルシエラが騒ぐ?正直解りませんね。
「ルシエラが騒ぐ必要があるのか?俺とアイツはただの協力者だぞ?」
「本気?」
「そーですね、ルシエラを連れて来なかったのはミスです。お土産、何が良いでしょうか?セリエ、副長さん後で付き合って下さいよ。マリンもハーファシー辺境伯爵へのお土産、買いますよね?」
何故か凄く奇怪な目で見られました。
「あんた、本当に多重人格とかじゃ無いわよね?」
「あぁ、そう言うことね。ルシエラは大事だけどな、今はお前達の方が大事だ。正直、ルシエラは弱い。鉄騎隊の訓練でも、、、くそ、俺がここまで感情移入するとは。(あの夜が原因か?)」
「あの夜ってなに!(ですか!)」
「なっ、なんで食いついて来るですかねこの娘達は!言いません、帰ってからルシエラにでも聞きなさい。」
正直、なぜあんなことをしたのか自分でも解らないのに、説明しろなどと出来るはずがありません。
「それよりも、歓楽街にでも行きますか。
彼処には劇場やレストランが並んでいるようですよ。」
「やけに詳しいわね、ってなにそれ!」
「さっきの門の所にパンフレットがありましたよ。地図付きでしたし、、、取って来なかったんですか?」
「「「、、、。」」」
「地図は必須でしょうが!迷子なったらどうするんですか。、、、はぁ、仕方ない。一緒に行動しましょう。パンフレットを渡すので行きたいところを話し合って下さい。」
「へぇ、ショッピングも出来るんだ。」
「セリエ様、どこ行きます?」
「ちょっと、お二人共、、、」
だいたい承認されるまでは4時間、それまでは観光地を楽しみますか。
「よぉ、姐さん。俺と一緒に歓楽街回らないか?そんなガキどもと一緒よりは良いだろ?」
ナンパですか?しかし、子連れをやるとは。
真っ昼間から面倒なのを聞いてしまいました。
「止めなさいよ、彼女は私の連れよ!」
「うるせぇ、黙れ。」
「グッ!何を!」
「セリエ様!」
「ガキが口を開くんじゃねぇ!」
「バロ、助けなさい!これは要請(オーダー)です!」
よし、状況を整理しよう。ナンパされてるのは多分、知り合い、護衛対象の声が聞こえる。しかも要請された。
「sure,your order.」
よりにもよってセリエに拳を振り下ろそうとした。俺はそれを受け止めたが、実際ここまでやらせるなんて、完璧に俺のミスだな。そのまま男に蹴りを入れ、後ろに下がらせる。
「チッ!てめぇ、なんだ?」
「ソルジャークラス2nd。護衛対象からの要請(オーダー)により、貴様を殲滅する。」
「えっ?バロ?!」
「クラス2ndだぁ?はん、クラス1stの俺様に勝てるかよ。」
クラス1stと言われて思い出す。
警備隊員の言葉を
「赤い姿をしたソルジャーがこの頃問題ばかり起こすんです。」
恐らくこいつの事だろう、正直ソルジャーとは両親以外と殺り合った事はない。
「さて、紅き者グラスコー。王族への反逆行為、万死に値する。清く死ね。」
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