第500話 お出かけ前
「暇!初詣いこ」
なんだかんだいちゃいちゃしながらソファーでくつろいでテレビを見たりゲームをしたりお節やおもちを摘んだり、ぐだぐだとソファーの上で寝落ちしているとあっという間に新年初日が終わってしまった。
ぐだぐだしてばっかりだった新年初日は僕たちらしいと言えば僕たちらしいかもしれない。普段は僕とまゆとゆいちゃんが3人でぐだぐだして春香は呆れながら家事をしてくれていたりする(春香にはめちゃくちゃ申し訳ないと思ってる)が、さすがの春香もお正月はぐだぐだのんびりしていてくれた。
だが、ずっとぐだぐだしているのは性に合わないのか、春香はソファーから立ち上がって僕とまゆとゆいちゃんに出かける用意をするように言ってきた。
僕とまゆも特にやることないからぐだぐだしていた訳で、春香が初詣に行きたい。と言うなら喜んで一緒に行くつもりで僕とまゆはソファーから起き上がるが……
「ゆいちゃん、行くよ。準備して」
「ふぇ……まだねたぁい。おやすみぃ」
あーもう。かわいい。けど、ゆいちゃんはぐだぐだしすぎ。そうやって普段からぐだぐだばかりしてるから普段から寝坊多かったりするんだよ。だから、今年は…ゆいちゃんがまだぐだぐだする。って言っても甘やかさないようにする。ゆいちゃんのために!!!
「りょうくん。こっちきてぇ」
「はーい」
ダメだ。眠たそうに目を擦りながらゆいちゃんに甘え声で呼ばれると逆らえない。ゆいちゃんの側に座ると僕の膝に頭を乗せてえへへぇ。とか言っちゃうゆいちゃん可愛すぎる。前言撤回…甘やかさないなんて無理だ。甘やかしちゃうよ。
「もう。りょうちゃん、ゆいちゃん甘やかしすぎだよ」
春香は呆れた様子で僕に言うが、こんなにかわいいゆいちゃんを甘やかさないなんてできないよ。
「ゆいちゃん、ぐだぐだしてるのはいいけど一人でぐだぐだしなさい。りょうちゃんは連れてくからね」
そう言って春香はゆいちゃんの頭を持ち上げて僕からゆいちゃんを引き離そうとするが、ゆいちゃんはやだー。と言いながら僕に抱きついてくる。めちゃくちゃかわいい。
「りょうちゃんから離れたくないならゆいちゃんも一緒に行くよ!」
「やだー。ぐだぐだしたい」
「甘えないの!ほら、りょうちゃんと一緒にいたいなら出かける準備するよ」
そう言って春香はゆいちゃんを僕から引き離してゆいちゃんを連れて女の子部屋に向かって行った。
「春香ちゃん、ゆいちゃんのお母さんみたい」
まゆが笑いながら言うのを聞いて、たしかに。と僕も笑う。しばらくすると春香とゆいちゃんがリビングに戻ってきたが、その頃にはゆいちゃんもしっかり起きた時のテンションになっていて、さー行こう。と僕とまゆの手を引っ張って4人でアパートを出る。マイペースやなぁ。
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