第498話 わちゃわちゃ





「「ごめんなさい」」


アパートに帰って早々に僕とまゆは春香とゆいちゃんに全力で謝る。


「え?なんで謝ってるの?りょうちゃんもまゆちゃんも約束守って早く帰ろうとしてくれたんだけど勘違いでお餅作ってきてくれたんだよね?だから遅くなったんだよね?」


勘違いで…を若干強調しながらさっきから顔に貼り付けられたように全く動きのない笑顔で春香は僕とまゆに尋ねる。


「ごめんなさい…」

「は、春香ちゃん、ゆいちゃん、りょうちゃんは悪くないの…まゆが悪いからりょうちゃんは許してあげて…」

「いやいや、まゆは悪くないよ。僕がきちんと断らなかったのが悪いからまゆは許してあげて…」


と、僕とまゆがお互いを許してとお願いしていると春香とゆいちゃんは呆れた表情でわかった。と言ってくれて、僕が春香とゆいちゃんをぎゅっと抱きしめることで許してくれた。


先にゆいちゃんを抱きしめてそのあとに春香を抱きしめたのだが、その時春香に「次はないからね」と笑顔で言われて僕とまゆはぞっとした。春香ちゃん怖いよぅ。


というわけでめちゃくちゃ怖い思いをしたが、なんとか許してもらえた。春香とゆいちゃんに許してもらったあと、まゆが春香とゆいちゃんに何かを伝えると2人とも嬉しそうな感じの表情をしていた。


「りょうちゃん、お餅食べるから準備しといてね」

「しばらくリビングから出たらダメだからね」


春香とゆいちゃんは僕にそう言い残してまゆと一緒にリビングから出て行ってしまう。とりあえず、春香の言いつけ通りお餅を食べる準備をしていると女の子部屋からわちゃわちゃした声が聞こえてくる。


何をしているのだろう。と思って春香とまゆとゆいちゃんを待っているとドタバタと廊下が騒がしくなる。


「りょうちゃん、聞いて…春香ちゃんとゆいちゃんにいじめられた…」


まゆが泣きそうな表情でリビングに入ってきて僕に抱きつく。いじめはよくないよ。


「ちょっとまゆちゃん…」

「りょうくんに誤解されること言わないで…」


泣きながら僕に抱きつくまゆを優しく抱きしめていると何故か下着姿の春香とゆいちゃんがリビングに入ってきた。どういう状況かはよくわからないけど、とりあえず、ごちそうさまです。ありがとうございます。新年早々眼福です。










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る