第462話 反省会
「りょうくんのせいで春香ちゃんとまゆちゃんにめちゃくちゃ怒られたんだけど」
春香とまゆにめちゃくちゃ怒られた日の翌日もアンサンブルの練習があり、帰り道にゆいちゃんと2人で手を繋いで歩いているとゆいちゃんがご機嫌斜めな感じで僕に言う。ちょっと理不尽……
「ごめん…」
「反省して」
……なんで僕、怒られてるの?え?春香とまゆに文句言われたり、怒られたりされるならまだわかるけどゆいちゃんに怒られる理由なくない?と冷静に考えてちょっとだけムカついたので意地悪することにした。
「じゃあ、反省して今日からゆいちゃんのわがままとか一切聞かないようにするね」
「え……」
「だって、そうだもんね。ゆいちゃんのわがままいっぱい聞いてあげたから春香とまゆにずるいって言われたり練習遅刻しちゃって怒られたんだもんね。残念だけど、反省してゆいちゃんを甘やかさないようにするしかないかなぁ…」
こんな感じで少しだけ意地悪なことを言ってからゆいちゃんの方をちらっと見るとゆいちゃんがめっちゃ涙目になっていた。
「なんでそんなこと言うの?」
ガチ泣きしながらゆいちゃんが僕に言う。僕、めっちゃパニック。やばい。ゆいちゃん泣かせちゃった。
「ゆ、ゆいちゃん、落ち着いて…ごめんね。言い過ぎたね。ごめん」
「これからもいっぱい甘やかしてくれる?」
涙目+上目遣い+萌え袖+甘え声とか言うチート技を容赦なくゆいちゃんは僕にぶち込んできた。反則すぎる。かわいすぎる。
「う、うん。いくらでも言うこと聞いてあげるよ。だからね。泣き止んで…」
「やったー泣き止む!」
………はめられた。めっちゃ見事にはめられた。え、いや、反則でしょ。こんなの誰だって言うこと聞くって約束しちゃうよ。ずるすぎるよ。
「えへへ。りょうくん、これからも私のこと、大切にしてね」
ギューって後ろから思いっきり抱きつかれて嵌められたとかそんなことどうでもよくなってしまったので、僕はゆいちゃんを抱きしめ返してもちろんだよ。と答える。
あー、だめだ。ゆいちゃんには敵わない…
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