第446話 偶然






「うわぁ…すごい行列だね…」

「ほんとですね…並ぶの大変そうですし、やめときます?」

「いやいや、陽菜が食べたい。って言うなら全然並ぶよ。私が並ぶからさ、陽菜は座って待ってていいよ」


僕と春香とまゆとゆいちゃんがクレープを食べ終わり、次はどのお店に行こうか話しているとなんか先程どこかで聞いたようなやり取りが聞こえてきた。しかも、僕たちがよく知っている声のトーンで。


「りっちゃん、陽菜ちゃん!」


僕たちがクレープを食べていた席の側で立ち話をしていた陽菜とりっちゃんさんを見つけた春香が陽菜とりっちゃんさんに声をかける。


「ん?あれ、春香ちゃん、それにりょうちゃんにまゆちゃんにゆいちゃんも…4人でデート?」

「うん!そうなの」


そんなやり取りをしながら春香は席から立ち上がってりっちゃんさんの方に行き、いつものようにりっちゃんさんに甘えるように抱きついた。


「ちょっと、春香ちゃん!りっちゃんさんは陽菜のなんだから。ちょっかい出さないでよ。春香ちゃんにはりょうちゃんとまゆ先輩とゆいちゃんがいるじゃん!」

「え、あ、ごめんね…な、なんかくせになってて……」


陽菜に指摘されて春香は慌ててりっちゃんさんから離れる。春香に抱きついてもらえるりっちゃんさんに一瞬僕は嫉妬してしまったので、春香とりっちゃんさんを引き離してくれた陽菜に心の中で感謝する。


「りっちゃんさんも、いくら春香ちゃんがかわいいからって…甘やかさないでください。りっちゃんさんが甘やかしていいのは……陽菜だけなんですからね……」


ちょっとだけ顔を赤くしながらちょっとだけ早口でりっちゃんさんに注意する陽菜を見て、りっちゃんさんはかわいすぎる。と悶えていた。


「陽菜ちゃんとりっちゃん先輩お揃いのワンピースめっちゃ似合ってますね」


陽菜とりっちゃんさんを見ていたゆいちゃんが2人にそう言うと2人はめちゃくちゃ嬉しそうにしていた。どうやら先程お揃いのワンピースを買ったらしい。たしかに、どちらにも似合っている。りっちゃんさんのワンピース姿は見慣れないがすごく大人って感じがしてめちゃくちゃいい。


「陽菜ちゃんとりっちゃんは今デート中なんだよね?」

「そうだよー」

「じゃあさ、せっかくだから今からまゆたちとダブルデートしない?」


まゆの提案に春香とゆいちゃんが同意する。楽しそうなので僕も賛成した。りっちゃんさんが陽菜をちらっと見ると、陽菜がりっちゃんさんにダブルデートしたいです!と言い、りっちゃんさんも同意して、急遽、僕と春香、まゆゆいちゃんと、りっちゃんさん、陽菜の2カップル?でダブルデートをすることになった。





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