第442話 休日デート
あれから、数日が経過するがりっちゃんさんからの連絡はなかった。りっちゃんさんと会った時も、りっちゃんさんは何事もなかったように接してきたので、僕からは何も言わずにりっちゃんさんのノリに合わせていた。
「りょうちゃん、ボーっとしてどうしたの?まゆも春香ちゃんもゆいちゃんも準備できたよ」
ソファーに座って、少しだけ、心配をしていると、まゆに声をかけられる。普段からめちゃくちゃかわいい3人だけど、今日は休日デートの日なのでみんなめちゃくちゃ気合いが入っていてめちゃくちゃかわいい。
そんなかわいいみんなの写真をこそっと撮ったらまゆにバレてちょっと怒られた。テヘペロ。
そんなこんなで4人でデートに出かける。デートプランはじゃんけんとかで決めたのだが、最初の目的地は満場一致でいつも行っている喫茶店でモーニング。これがないとデートが始まらない。と思うくらい定石化している。
いつもみたいにモーニングをしてゆっくりお喋りした後はまゆがじゃんけんで勝ち取ったカラオケに行く。ちなみにまゆとゆいちゃんは歌がめちゃくちゃ上手い。春香も普通に上手いけど、恥ずかしがってあまり歌ってくれないからかわいい。たぶん、歌は僕が1番下手くそ…
カラオケに到着して、さっそく順番で曲を入れ始める。
「りょうちゃん、恥ずかしいから…一緒に歌って……」
「もちろんいいよ」
もじもじと恥ずかしそうに僕にお願いしてくる春香がかわいすぎてノータイムで了承すると、まゆとゆいちゃんがずるい。と言い出して僕だけ3連続でデュエットすることになり、無事に喉が死亡する。
ちょっとやすみたい…と思っているとまゆがせっかくだから4人で歌える曲歌おうよ。とか言い出して懐かしい合唱曲を入れはじめて歌うしかなかった。辛い。喉がやばい。半分ヤケクソになりながら歌いきり、お昼過ぎにはまともに歌えなくなっていた。
「りょうちゃん、大丈夫?」
「う、うん……」
カラオケのお会計を済ませると、まゆが心配してくれたが、喉がやばすぎて声を振り絞って答えると何故かちょっと笑われた。
「りょうくん、あんなに無理して歌わなくてよかったのに……」
連続で歌っている途中に、無理せず休んだら?
と心配してくれたゆいちゃんだったが、テンションがおかしくなっていた僕はゆいちゃんの忠告を無視してこの有様だ。情けない……
「りょうちゃん、元はと言えば私が一緒に歌ってってお願いしたから……」
「春香は悪くないよ。気にしないで…僕がバカだっただけだから………」
楽しいデートをこんな状態にして申し訳ない。と思いながらも春香やゆいちゃんが僕のことを本気で心配してくれて少しだけ嬉しかったということは内緒にしておこう。
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