第235話 前期の終わり
「りょうちゃん、まゆ、もう頑張れないよぅ…」
そう言いながらまゆが僕にギュッと抱きついてくる。かわいいなぁ…
「まゆ、頑張ろうよ。あと少しだよ」
アパートに帰り春香と3人で夜ご飯を食べた後、僕たちはお風呂に入って、僕とまゆのレポートに取り掛かる。
しばらくすると、僕のレポートが終わり僕は金曜日の試験の勉強に切り替えた。春香は眠たそうにしながら僕とまゆにコーヒーを淹れてくれたりして、コーヒーを飲みながら眠たそうに目を擦り僕の太腿に頭を乗せていた。
「疲れたんだもん!まゆも癒されたい!」
駄々っ子のようにまゆは頬を膨らませて手足をバタバタさせる。かわいすぎる。抱きしめたい。
「りょうちゃん、甘やかしたらダメだよ」
僕がまゆを抱きしめようとするのを僕に膝枕されていた春香が止めた。
「まゆちゃんがレポート終わるまでりょうちゃんは私のものだからね」
「ずるぃ…」
「ずるいと思うなら早くレポートやりなさい」
「りょうちゃん、まゆのレポート終わったらご褒美くれる?」
「うん。まゆが好きなだけご褒美あげる」
「今日は寝かせないから…」
僕にそう言い切った後、まゆはすごい集中力でレポートを終わらせて朝まで3人でいちゃいちゃした。朝にシャワーを浴びてお昼まで寝て、お昼にレポートを提出する。
レポートを提出した後は部活の練習に向かい、帰ってから僕は勉強、春香とまゆも僕の勉強が終わるまで起きていてくれようとしたのだが、途中で寝落ちしてしまい、僕は春香とまゆに膝枕をしてあげながら僕は勉強を頑張った。
勉強が終わり、僕は春香とまゆを起こしてリビングに布団を敷いて3人で寝る。そして翌日、僕は試験、春香はバイトで大学に向かう。今日は僕はバイトお休みだが、まゆはシフトを入れていたので、まゆだけバイトに向かった。
僕は試験が終わり、1人でアパートに帰り、春香に任せきりだった家事をして春香がバイトが終わる時間に大学に向かいバイト終わりの春香と一緒に駅に向かう。駅に向かい電車に乗り、僕とまゆがバイトしている本屋さんが入っているショッピングセンターに向かい、まゆがバイト終わる時間にまゆと合流する。
その後は3人で試験・レポートのお疲れ様会をすることになっていた。遅い時間でも営業しているちょっとお洒落なレストランに3人で入り、食事を楽しみながらお疲れ様会をした。
その日は帰宅して僕はぐっすり眠ってしまった。春香とまゆは僕の寝顔を見ながらお喋りしていたみたいだが、寝ていたため僕は話の内容はわからないが、笑い声は寝ていてもたまに聞こえてきていた。
こうして、試験・レポートが全て終わり、大学の前期は終了して、明日から夏休み。
だが、夏休みに入って数日後、僕たちはでかいイベントを控えていた。
吹奏楽コンクール
僕たち吹奏楽部はずっと、コンクールを目標に練習していた。試験・レポートが終わり休む暇もなく僕たちはコンクールに挑む。
今まで、いろいろあった。まゆのソロパート、りっちゃんさんの吹けない騒動、ゆいちゃんの不調、春香のoneplay騒動、コンクールに向けた合宿や合宿後の課題練習などなど、コンクールへの取り組みでのトラブルもいっぱいあった。
だが、今日の練習が終わると明日は本番、コンクールの前はいつも複雑な気持ちになる。やっとコンクールか。と言う気持ちとこれでコンクールが終わるのか。と言う気持ちが相まり複雑な気持ちになったりする。
コンクールのために頑張ってきたと言う気持ちと、コンクールが終わった後の目標の喪失感、いろいろな気持ちを味わうのが、コンクールだ。
明日、コンクールが終わるとどうなるのだろうか。明日、金賞を取り、上の大会に進む。そのために練習してきた。だから、今日の前日練習と明日の本番、出来ることを精一杯頑張ろう。きっと、全員がそう思っている。
「りょうちゃん、まゆちゃん、今日も頑張ろうね」
「りょうちゃん、春香ちゃん、今日も頑張ろ」
「春香、まゆ、今日もよろしくね。精一杯頑張ろう」
僕と春香とまゆはお互いに励ましあって朝の準備をして3人でホールに向かう。
今日の練習と明日の本番、この2日間はきっと…大学生活でかけがえのない思い出の1ページとなるだろう。と思い楽しみな気持ちとやはり、どこか寂しい気持ちになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます