第107話 バイト後の夜





「りょうちゃんのばか…もうしらない……」

「ごめん。まゆ…そんなこと言わないで…まゆにそんなこと言われたら耐えられないよ……」

「え、あっ…うそ…だから、安心して…ね。」


バイトが終わり、店長さんと奥さんの文恵さんと一緒にお洒落な雰囲気の居酒屋さんで夕食を食べながら、まゆ先輩のおっちょこちょい話をしていたらまゆ先輩が拗ねてしまったので、先程のようなやり取りをしていた。悲しむ素振りを僕が見せるとまゆ先輩は慌てて先程の拗ねた対応とは異なる対応をしてくれる。かわいい。


「ちゃんと嘘ってわかってるよ。慌てちゃってかわいいなぁ」

「そうやって揶揄ってばかりいると本当にもうさようならしちゃうよ」

「え、それは嫌だ…ごめんなさい。調子乗っちゃった…」

「まゆとさよならしたくないの?」

「当たり前じゃん…」

「さよならするわけないから安心して。慌てちゃってかわいいなぁ」


先程まゆ先輩を揶揄った仕返しをするかのようにまゆ先輩はニヤニヤしながら僕に言う。本気で慌てていた僕は頬を少し膨らますとまゆ先輩は笑いながら僕の頬を押して膨らませていた僕の頬を元に戻させる。


そんな僕とまゆ先輩のやり取りを若いっていいねぇ。と言いながら店長さんと文恵さんはニヤニヤした表情で見ていたことに気づき、僕とまゆ先輩は恥ずかしさを感じた。

 



「りょうちゃん、今日は本当にお疲れ様、疲れたでしょ?」

「うん。疲れた…」


店長さんに夕食をご馳走になった後、まゆ先輩の家に帰ってまゆ先輩の部屋のクッションに座るとまゆ先輩が僕にもたれかかるように横に座ってきた。


「じゃあ…今日頑張ったりょうちゃんにご褒美あげようかな」

「え…」


僕がドキッとしながらまゆ先輩の方を見るとまゆ先輩はすごく恥ずかしそうにもじもじしていた。


「ご褒美に…今日だけ…まゆのこと好きにしてくれていいよ……りょうちゃんの言うこと何でも聞いてあげる…」


と、頬を真っ赤にして言うまゆ先輩が可愛すぎてつい、まゆ先輩を思いっきり抱きしめてしまった。まゆ先輩は驚いた表情をするがそっと僕を抱きしめ返してくれる。2人で抱きしめ合う時間が本当に幸せだった。


「ねぇ…まゆにしてほしいことないの?何でもしてあげるよ」

「しばらくこのままでいて…」

「わかった」


幸せな時間をしばらく味わった。その後、再びまゆ先輩に何をしてほしいかを尋ねられた。


「してほしいこと…ね……」

「とりあえずさ、まゆ、お着替えしたいんだけど…りょうちゃん、服選んで」


と、まゆ先輩に言われるがいきなり服を選んでと言われても困る。僕が困っているのを見て、まゆ先輩は着替えるからちょっと部屋を出ててと言いだした。僕はまゆ先輩の部屋の外でまゆ先輩が着替えるのを待つ。しばらくして、入っていいよ。と言われたので僕は再びまゆ先輩の部屋に入る。


「どう?ちょっとキツイかな?」


部屋に入るとセーラー服姿のまゆ先輩がいた。セーラー服に膝上まで伸びているスカートに黒タイツ…やばい…かわいすぎる……大学生だが、高校生って言われても普通に信じられる。


「めちゃくちゃかわいい」

「え、本当?恥ずかしいけど着替えてよかった」

「うん。めっちゃ眼福……ねぇ……その…写真撮っていい?」

「えー恥ずかしいよ…」

「言うこと何でも聞いてくれるんじゃなかったの?」

「そうだけど…撮った写真どうするの?」

「癒されたい時に見る」

「その…1人でエッチなことする時に見るのは恥ずかしいからあまりしないでね。それだけ約束して…」

「え…うん…わかった」

「なんで少し残念そうなのかな?もしかしてそういうことする時に見るつもりだったのかな?」

「そ…そういうわけじゃ…」


本当はまゆ先輩の言う通り、1人でそういうことをする時に拝ませてもらおうと思っていたが……まゆ先輩に言い当てられて僕はめちゃくちゃ動揺した。そんな僕を見てまゆ先輩はニヤニヤしながらかわいいなぁ。と呟く。そして、セーラー服姿のまゆ先輩の写真をいっぱい撮らせてもらった。かわいい。かわいい。って言いまくっていたらまゆ先輩がノリノリになってくれて恥ずかしいなぁ。と言いながらいろいろなポーズをしてくれた。かわいすぎるよ。




撮影会を終えた後、まゆ先輩がお風呂に入りその後に僕はお風呂を借りる。服を脱いでお風呂場に入ると、ラフな格好に着替えたまゆ先輩が背中流してあげる。と言って強引に僕をお風呂場に押し込んで背中を流してくれた。


お風呂から出てパジャマを着た僕はまゆ先輩の部屋に戻る。一応ノックしてまゆ先輩に入っていいかを尋ねてからまゆ先輩の部屋に入った。


「お帰りなさいませ。ご主人様。なんちゃって…え、これめっちゃ恥ずかしいね……」


まゆ先輩の部屋の扉を開けて僕は唖然とした。メイド服…まゆ先輩はメイド服を着ていた。え、何これ、かわいすぎるでしょ……メイド服+黒ニーソは最強でしょ。


「え…似合ってなかった?」


固まっていた僕を見てまゆ先輩は不安そうに尋ねる。


「いや…えっと…かわいすぎて……」

「えへへ…まゆは今日、りょうちゃんのメイドさんだから、いっぱい御奉仕してあげるね」


何これ…最高すぎる………


メイド服のまゆ先輩に手を引かれてまゆ先輩の部屋に入りメイド服のまゆ先輩に濡れていた髪を乾かしてもらいながら僕は幸せを実感するのだった。






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