第91話 幼馴染みと過ごす朝とピアノの練習





「りょうちゃん…りょうちゃん…起きて…」

「ん…」


僕が目を覚ますと、柔らかい感触が僕の肌に感じられた。春香が僕に抱きついていて春香の胸や身体が僕に触れあっていた。春香の柔らかい肌の感触を感じて朝からドキッとして幸せな気持ちになる。


「りょうちゃん、おはよう」

「うん。おはよう」


お互いに朝の挨拶をすると僕と春香はお互いに顔を近づけた。まさか、同じタイミングで同じことをしようとしてると思わなくて、春香は少し驚いた表情をしたが、僕は春香の唇を容赦なく奪った。春香と口づけをして数秒間、春香の唇から唇を離さなかった。


「もう…りょうちゃん…朝から恥ずかしいよ…」

「春香だって僕にキスしようとしてたじゃん」

「む〜じゃあ、仕返し」


春香は頬を膨らませながら僕にそう言い僕に顔を近づけてそのままキスをする。数秒間唇と唇を引っ付けて春香の顔が僕の顔から離れた頃には僕も春香も顔が真っ赤に染まっていた。


「春香大丈夫?顔真っ赤だよ?」


悪戯心でわざとらしく春香を心配して春香を揶揄うと春香はりょうちゃんのいじわる…と拗ねてしまい、布団の中に潜ってしまった。そんな春香を見てかわいいと思いながら僕は布団をめくって春香の頭をそっと撫でてごめんね。と春香の耳元でそっとささやく。すると春香は若干拗ねている感じを残しながら別に気にしてないからいいよ。という。拗ねている感じを装っているが口元がニヤけてしまっているのが本当にかわいい。


「本当にごめんね。大好きだよ」


僕がそう言いながら春香を抱きしめると春香は顔を真っ赤にして、私もりょうちゃんのことが大好き。と僕を抱きしめ返してくれた。何このかわいい生物…


「そろそろ朝ごはん作らないとね…りょうちゃん、ちょっと手伝ってくれる?」

「もちろん」


僕と春香は布団から出て台所に向かい朝食の準備をする。春香が出際よく調理を進めてくれたので僕は食器などの準備をしていた。そして、出来上がった朝食を春香と一緒に食べて僕と春香は大学に向かう。2人で手を繋いで田んぼ道をゆっくり歩いてしばらくすると大学に到着した。大学に到着して僕と春香はピアノ練習室に向かう。1つの部屋にピアノが2つ設置されている広い練習室に入る。朝一番なのでピアノ練習室がある建物は僕と春香だけで貸し切り状態だった。


春香とまゆ先輩、りっちゃんさんに教えもらってようやく、きらきら星を両手で演奏できるようになっていた。春香に聞かせてよ。と言われたので両手できらきら星を演奏する。まだまだぎこちない演奏だが、なんとか最後まで弾ききることができた。


「おーすごいね。よく頑張ったね。いつ演奏が止まるか心配でドキドキしたけどちゃんと弾ききれてえらいよ」


春香はそう言いながら僕の頭を撫でてくれた。やばい。めちゃくちゃ幸せ。最高のご褒美だ。昨日、初めてきらきら星を間違えずに両手で演奏できた時もまゆ先輩がご褒美としてキスしてくれた。きらきら星弾けるようになってよかった。と心から思う。


「きらきら星出来たから次のステップ行こうか。頑張って練習しようね」


先程までのお祝いムードを辞めて真面目な声のトーンで春香は僕に言う。ぶっちゃけ、先週は春香といろいろあったため、全くピアノの練習が出来なくて気づかなかったが、春香のピアノの練習はめちゃくちゃスパルタだった。厳しい…りっちゃんさんは基礎重視の普通の練習、まゆ先輩はピアノを楽しもうというスタンスで春香はめちゃくちゃスパルタだった。笑顔で無茶振りをしてきてもし、できなかったらめちゃくちゃ悲しそうな顔をするので絶対に失敗できない。ということが春香の練習をスパルタと思わせる一番の理由だろう。やばい…めちゃくちゃきつい…でも、春香とピアノの練習出来て幸せだから頑張ろう。と1時間、春香とピアノの練習をずっとしていた。




「じゃあ、りょうちゃんまた後でね」

「うん。またね」


りょうちゃんのピアノの練習が終わり私はりょうちゃんと別れて授業に向かう。教室に入るとまゆちゃんがいたので私はまゆちゃんの横に座る。あれからまだ1週間しか経っていないのか…りょうちゃんとまゆちゃん、そして私の3人が幸せになれるきっかけになった日から…などと1週間前を懐かしく思いながらまゆちゃんの横に座り私は真っ先にまゆちゃんに謝罪した。


「まゆちゃん、昨日は心配かけてごめんなさい」

「春香ちゃん、大丈夫だよ。まゆの方こそごめんね。春香ちゃんの気持ちに気づいてあげられなくて…それに春香ちゃんの特別な日にりょうちゃんを連れてっちゃって…」

「まゆちゃんは悪くないよ。私が…弱かっただけ…りょうちゃんとまゆちゃんを信じきれてなかった。だからごめんなさい。あと、ありがとう。りょうちゃんにいっぱい協力してくれたんだよね?本当にありがとう。まゆちゃんのおかげで最高の思い出になったよ」

「春香ちゃん、まゆは春香ちゃんのことも大好きだからね。だから信じて…絶対に春香ちゃんを裏切るようなことはしないから…まあ、でも…りょうちゃんのこと好きになっちゃったまゆが言っても説得力ないか…」


まゆちゃんはそう言いながら笑う。私はそんなことないよ。まゆちゃんのこと、信じるね。と返事をするとまゆちゃんは笑顔でありがとう。と言う。


「それより、春香ちゃんが誕生日にりょうちゃんと素敵な思い出を作れたならよかったよ。今日はまゆとりっちゃんからもお祝いさせてもらうから楽しみにしててね」

「うん。ありがとう。楽しみにしてるね」


私はまゆちゃんに笑顔で答え、授業を受ける。そしてあっという間に今日の授業は全て終わるのだった。





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