残飯その5 ボケる


 願わくばボケずに死にたい。

 死への恐怖も、苦痛も、悲壮も、

 すべて得られるから。


 生きているからこそ、

 それは感じられるもの。

 ボケたら何もわからない。

 命あるまま、生を投げ出すだけ。

 後悔も、笑顔も、感謝も、

 すべて忘れてしまうから。


 最後の瞬間まで、生を感じたい。

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