Day29

あーさー。


今日も晴れてるね。

朝の日課を終え、今日は中央の森に出発です。

登り道に来たら、だいぶ前の方を猟師さんたちが歩いてる。

そろそろスタンピードから一か月か。

もう、すっかりいつも通りの風景だね。


森の中の薬草も、順調に育って来てる。

収穫できるのもいくつかあったので、採取してきました。


スライムは3匹。

夜に中央のダンジョンから出てきてるのかな。


小屋に戻ってから、ポーション作りました。

ポーション、少し在庫できたから、村に行ったついでに納品してこよう。


さて、剣の材料持って、村にお出かけです。

ちょっと遅くなりそうだったので、軽く走りました。

…うん。村まで走れて息も切れてないよ。

持久力上がってるわー。


あれ?門のとこにソード君いるね。

鍛冶屋さんで待ち合わせじゃなかった?


「よう、気になって早く来ちまった。一緒に行くか?」

「あ、先にポーションの納品と、買い物したい」

「わかった。ホットドッグ売ってる店の前通るから、買い食いしよう」

「うん」


ホットドッグ食べながら、買い物済ませて詰め所に向かいました。


「隊長さん、少しポーション出来たよ」

「お、少しでも助かる。売ってくれ」


7本渡してお金貰ったんだけど、金額違ってる。


「隊長さん、金額間違ってるよ」

「いや、嬢ちゃんのポーションは買い取り値、値上げだ。他から仕入れたポーションより、明らかに効果が高いのが分かった」

「そうなの?」

「ああ、他じゃあ採れた薬草を町や村に持って来てから作るんだと。鮮度を気にして森近くで作業することはねえらしい」

「あー、採取してから時間経ったら効き目落ちちゃうね」

「だろ。だから嬢ちゃんのポーションは高品質用の価格だ」

「そうなんだ、ありがとう」

「おう、これからも頼むぜ」


知らなかった。

他じゃあ鮮度気にしてないんだ。

まあ、高く売れるのがわかったからよかったよ。


次は鍛冶屋さんだね。

鍛冶屋さんに着いたら、いきなり作業場に連れていかれた。

ソード君も背中押してくるし。

持ってきたソード君用の刀身を披露したら、二人して代わるがわる眺めてるね。

早く焼き入れしようよー。


既に炉は準備万端なので、せっせと粘土塗ってきます。

物打ちだけ少し反りを入れたいので、他は厚めで刃の部分だけちょっと薄く塗ります。

物打ちは刃の部分広めに薄くしました。

魔法で乾かして、では、炉に投入です。


お、鍛冶屋さん、足踏み式の送風機なんだね。

せっせと足踏みしてくれて、炉内温度が急激に上昇してます。

段々と刀身が赤くなってきたね。

もうちょっと…

よし、このくらいで。

ソード君、冷却用の湯舟をしっかり加熱してるね。

じゃ、はなれてよ。

じゅー

さて、どうなったかな。

おお、ほぼ思い通りに反りが入ってくれたよ。


「これで俺の剣、完成?」

「まだだよ。研いでないから切れないよ」

「なあ、嬢ちゃん。研ぎ、俺にやらせてくれねえか?」

「え?私は助かるけど、いいの?」

「ああ、こんなすげえ剣、研いでみてえ。研ぎ方の注意点だけ教えてくれ」

「わかった。あと、柄と鞘もお願いしていい?貴族様仕様で」

「ああ、そこは任せてくれ」


ということで、押す時に力を入れる研ぎ方と角度、砥石の種類だけ話して、一人でお店を出てきました。

だって、二人して相手してくんないんだもん。

まあ、私は楽が出来るし、貴族様の剣の柄が薪じゃあねえ…。


さて、用事済んだし、小屋に帰ろう。

…まいったね。今、小屋に帰るって自然に思っちゃった。

自宅、直ぐそこだったのに…。

私の中で、確実に何かが変わって来てるんだね。

今夜は夕食作る気になれそうにないね。

なんか買って帰ろう。

うん、“帰ろう”。

そして明日は、一人で東の森に行こう。

まっててね。おみやげ持ってくから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る