私のテニス
紺崎 翔空
第1話
2020年の夏、学校から少し離れた場所で行われる大会。今年卒業した先輩が県大会の出場権を惜しくも逃した大会だった。
この大会のためにテニス部一丸となって頑張ってきたのに私は参加することができなかった。実力がないから、忘れ物をしたから、なんてことはなく疲労がたまり高熱を出してしまったからだ。
「大丈夫?」
「安静にね。」
と心配してくれる仲間。
「今は体調のことだけ考えなさい。」
と言ってくれた顧問。
優しい言葉なのに私はしっかりと受け取れなかった。後で聞いたが結果は団体戦は準優勝、個人に関しては1ペアのみ県大会出場だった。
もしかしたら私も県大会行けたかもしれないのに。そう思ってしまい素直に喜べなかった。最低。そう思われても仕方なかった。先輩の無念を晴らした。それでも私はモヤモヤしている。
そんな私は高校にあがってからもテニスを続けた。今でもあの時のことを思い出すとモヤモヤしてしまうが今は純粋にテニスが楽しい。あの大会の後楽しくテニスができなかったというのに今はとても楽しいのだ。
「私はこれからもテニスを続けるよ。」
そう言って私はにっこり笑う。
「こんなに楽しいものをやめることなんてできないわ!」
私のテニス 紺崎 翔空 @ego-liasypwr
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます