貯金残高―――
私は友達に書いてもらった地図を頼りに刈谷先輩の家を探していました。
「えっと…ラーメン屋さんがあってその先が刈谷先輩のウチ…なんだけど…あれれ?通りすぎちゃったかな?」
地図にはたしかにラーメン屋さんのすぐ隣に赤い丸印が付けられていて『ココ』って書かれてあるのです。
「まったく地図が下手過ぎなのよね!ラーメン屋さんの隣に家なんてないじゃないの!あるのは小屋だけ・・・んっ!?まさか?」
私は恐る恐るその"小屋"だと認識していた建物に近付き、そして恐る恐る恐る入口らしき扉の横にあるプレートを確認しました。
『刈谷』
「ハハ・・・アハハハハハ」
落ち着こう私、大丈夫落ち着いてるわ私
先輩はたしかに経済的理由で付き合えないって言ったわよね、ってことは生活が苦しい。つまり貧乏、んんん、ごめんなさい先輩!正直な感想を言います。先輩んちはチョー貧乏だったんですね。
「何してんだ?
「オヒョッヒィ!先輩!」
振り返ると小さな男の子と女の子を連れた先輩が買い物袋を片手に立っていました。
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