第10話 金は天下のまわりもの
問題の教室へ向かう途中、小雪は僕たちにそのいじめられている彼女の事を話してくれた。
「名前は近藤美咲さんっていうの。眼鏡をかけた大人しい子らしくてね」
眼鏡女子か。
「シャイな子みたいでいつも教室の隅で本を読んでいたらしいわ。でもその内容がかなりアレらしくて」
「アレ?アレってどれ?」
「私はよく知らないのだけれどもラノベというものらしいわ」
「なるほど」
なーんかイメージ湧いてきたぞ?完全な偏見だけど。
「例の不良グループがそれに気づいたらしくてね。そこからいじるようになって……」
「本格的にいじめられるようになったと。酷いね」
もう完全に不良グループって言っちゃったね。いじめっ子のこと。どうでもいいけど。
「それで?君のクラスはどこにあるのかな?」
「この廊下のつきあたりのクラスよ、巴。いいわね?先生でなくても風紀委員であれば現場を押さえることができるでしょう?しっかりしなさい」
「はい、小雪さん」
完全に上下関係出来上がっちゃったなー、これ。
「ここがそうよ」
教室の外には数人の一年生が中の様子を恐る恐るうかがっていた。
中からは複数の女子生徒の笑い声が聞こえる。
「きゃははははは!こいつウケる!豚みたいな声で鳴いてやがる!」
「オラ!ちゃんと立てよ!このクソ眼鏡!」
「う、うぅぅぅ」
「あははははは!何言ってんのかわかんねーっつーの!」
教室のドアの窓ガラスからのぞき込むと三人の女子生徒がうずくまっている女の子に罵声を浴びせていた。おそらくうずくまっているのが近藤さんだろう。その様子を教卓の上に座りながら眺めているのが主犯格の子だろうか?
「……あ!ゆきちゃん!やっと来た!」
「待たせたわね、雫。風紀委員の人を連れてきたわ」
「え……先生じゃないの?」
「この学校の先生は保身に走るから使えないわ。生徒の問題は生徒で解決するしかないの」
「そっか……だよね。先生たちは無能だもの」
この大人しそうな子まで先生を無能扱いしている。まだ一年生だよね?この先やっていける?
「紹介しますね。この子は宮本雫。私の友達です」
「初めまして、先輩方」
「いやまぁいいんだけどさ。自己紹介するより早くのりこまない?」
「は、はい!そうですね!え?のりこむ?」
慌て方がかわいいなー。この子はこのまますくすくと育ってほしい。
「お前たち!そこまでだ!」
五条は颯爽と教室のドアを開け、うずくまっている女子生徒に駆け寄る。
「大丈夫ですか?あなたが近藤さん?」
「…………」
「酷い怪我だ。保健室へ行きましょう」
「………ないで」
「はい?」
「さわら……ないで……」
「ど、どうして…」
「あのさぁ!風紀委員が一年生の教室に何の用ですかー?」
三人組の女子生徒の一人が五条に詰め寄る。身長は五条より少し高いくらいか。
「人をいじめておいて用もクソもあるか!」
すると、一人の女子生徒が近藤さんと思しき人に声をかける。
「いじめ?私らあんたに何かした?」
「して……ない……」
「だってよぉ!」
「無理やり言わせてるんだろうが!」
「はぁ?証拠でもあんの?本人がいじめられてないって言ってんならいじめられてないってことでしょう?」
教卓の上に足を組んで座っている主犯格と思われる女子生徒が五条に声をかける。
「あ、あの人がリーダーの上川優菜さんです」
宮本さんが名前を教えてくれる。でもどうしよう。僕たちも教室の中に入るべきだろうか。
「いじめだろうが何だろうがこの学校で暴力を振るうこと自体が問題だ!いいからお前たちは教室からでろ!」
「………はぁ、所詮相手は一人だ。お前たち。潰していいわよ」
上川がそう言うと三人組の女子高生はニヤぁと笑い、どこにしまっていたのか。カッターやらバットを取り出すと五条を取り囲む。
「あんた達ねぇ!それはいくら何でも卑怯でしょう!」
小雪が流石に見てられないとばかりに教室の中に入る。ええ、ちょっとなんで僕の腕をつかむの!?
「そんな武器を使わないと勝てないってわけ!」
「そりゃそうでしょ。腐っても相手は男だからねー。そっちが権力と力でくるのなら、こっちは数と武器で対抗するでしょ?普通」
「そう、それがあなた達の言い分ってわけね……。だったらいいわ!私達も戦うから!」
「はぁ?あんたみたいなひよっこが私達に敵うわけないでしょ?」
バットを持った女子生徒がへらへらと笑いながら小雪をあざ笑う。
「人を見た目で判断しない方がいいわよ?それに私にだって戦うすべはあるのだから」
そう言うと小雪はポケット中に手を突っ込む。すると、中から金属製の1メートルくらいの細長い棒を取り出した。物理的におかしくないかな!?
「へっ、お前もなんだかんだで凶器を持ってきてんじゃん」
「凶器ではないわ。孫の手よ」
その言い訳は無理がある。
「だったらこっちは図工で使うカッターに野球で使うバットだっつーの」
「なに屁理屈言ってんのよ!」
「お前も似たようなもんだっての!」
「もういいわ!話にならない!ヒカリ!はいこれ!」
「へ?」
小雪さんが僕にポケットからもう一本の金属の棒を渡してくる。いや、そんなもの渡されても…
「ヒカリなら必要ないかもだけど一応ね」
「普通にいるよ!? 素手でなんとかできるわけないじゃん!!」
「?」
いやいや、そんな顔されても。でも確かに本当は必要ない。僕には『万物破壊の手』がある。たとえバットだろうとカッターだろうと、手に触れることが出来れば何でも破壊することができるのだから。
「なにちんたら話し合ってんだよ!」
女子生徒の一人がバットで小雪に殴りかかろうとする。それをノールックで背中に回した金属棒で受け止めた。
「くっ、やるじゃねーの!」
「あんた達の攻撃なんて所詮その程度よ。私を倒したかったらミサイルでも持ってくることね!」
小雪さんどんだけ自分に自信があるんだよ……
そうこうしているうちに五条も女子生徒の一人ともみ合いになる。五条は隠し持っていた赤の蛍光灯で応戦しているようだ。よかったな、蛍光灯の使い道がマトモで。
しかし、相手は三人、こっちも三人。二人が戦うと当然一人余るわけで……
女子生徒の一人と目があった。相手はカッターナイフを持っている。嫌だなー、嫌だなー……
「じゃあ私らもやろうか?」
「いえ、遠慮しておきます」
「そう言うなって!」
ツインテールをなびかせながらこっちに突進してくる。それを僕は持ってきた金属棒で器用に受け止めた。
「へぇ……棒の扱いはなかなかうまいじゃない。剣道でもしてた?」
「自分でもびっくりしているよ。僕こんなに身体能力高かったっけ」
本当にそう思う。今までの僕は何をしてもザ・平均という感じだったのだが、三か月くらい前から体の調子がいいのだ。こう、なんていうか……昔の感覚が戻ってきている感じというか、奇妙な感覚になってる。
受け止めた金属棒を片手に持ち替えると、空いた手で女子生徒が持っているカッターに少しだけ人差し指を触れさせる。ここだ!
シャン!
奇妙な音を立てながらカッターはボロボロに崩れ去る。よかった。上手くいった。
「え……何今の……」
「そんな不良品を持ってたらダメだよ?図工の時間怪我しちゃうから」
「うっせー!うちは美術だからカッターなんか使わねーっての!」
じゃあなんで持ってんのさ。
「それよりも!てめぇ今何しやがった!」
「何って何さ」
「金属の棒に当たっただけでカッターがボロボロになるわけないだろ!!」
そりゃそうだ。でも、実際になっているのだから認めてほしい。
「まぁいいじゃんか。これでもう君の武器は無くなったね。どうする?他の二人もそんな感じだけど」
五条は女子生徒を組み伏せており、小雪は金属棒で女子生徒の首を地面に押さえつけていた。痛いよ、それ……
「ふーん、なかなかやるわね。まぁ直接のりこんで来るくらいだからこれくらいはするか……」
仲間がやられているというのに上川は依然として教卓から一歩も動いていない。臆するどころか余裕の態度だ。どうしてだ?
「あんた達さ。私の部下にならない?」
「は?冗談でしょう?あなたの部下になるくらいなら教師の犬になった方が何倍もマシよ!」
ひでぇ。
「悪くないと思うのだけれど。月に一人三十万でどうかしら?あ、そこの人は十万ね」
上川は僕を見てそんなことを言う。えー……。僕そんなに使えなさそう?褒められたいわけじゃないけどさ。
「なんであんたそんな金があるのよ!」
「ゆ、ゆきちゃん。上川さんはね、この町で一番の資産家で『上川グループ』と言えば知らない人はいないくらいなの……、その一人娘だから多分甘やかされてるんだと思う。金銭面で」
小雪の疑問を宮本雫が教室の外から解説してくる。あくまで教室に入る気はないわけね。
「まぁそういう事。だから、この学校の先生も私には大目に見てるってわけ。わかる?私につけば思うが儘の学生生活を送れるの。その三人はもういらないから用済みね」
「「「!?」」」
女子生徒三人は一様に驚愕に顔を浮かべる。
「ま、待ってくれよ!姉御!たった一回負けたくらいで……」
「この世はね。たった一回のミスでも取り返しのつかないこともあるの。それはあなた達平民なら特にね。私は何度失敗してもやり直せるけど、あなた達は違う。たったそれだけの事」
「今まで尽くしてきた恩があるだろう!?」
「そうね。それは感謝するわ。でもそれよりももっといい物件があるのだからそっちに移るのは当然でしょう?いい加減諦めたら?」
「き、貴様……殺す!」
「あらこわいこわい」
どうやら仲間割れを始めたようだ。僕もなんだかイライラしていた。人を平気で物扱いするそのスタンスが気に食わない。
「ちょっと?私達あなたにつく気なんてさらさらないのだけれど?」
「強がらなくてもいいのよ。あなた、一人暮らしなのでしょう?知ってるのよ。家計が毎月ギリギリだってことは」
「!! 何で知ってんのよ!」
「そりゃあ噂になってるもの、あなたの事は。どこで何してたなんて情報はクラスの男子共が毎日話しているから」
「へ?」
小雪は顔を真っ赤に染める。ここは照れるとこじゃないよー。
でも確かにそうだな。昼食の弁当の中身は結構寂しいものだった。日の丸弁当に総菜が一、二個だったから小食なのかなと思ったがそうでもないらしい。
「そ、それでも生活できているのだからいいじゃない!」
「毎日ステーキが食べられるわよ?」
「う」
「それも朝昼晩。なんならデザートも食べ放題」
「胃が持たれそうね……」
想像しているのだろう。小雪の口からじゅるりとよだれがこぼれている。心揺らぎ過ぎじゃないかな。
「あなたはどうなの?風紀委員さん?」
「私を勧誘? できるとでも?」
「ええ。あなたの実家はお寺でしょう?あのあたりにゴルフ場とか作ってみたいわねぇ…」
「!! うちの実家を脅す気か!」
「脅すなんてとんでもない。ただお金があればそんなこともできるってだけの話よ」
「それはやめろ!考え直せ!君ゴルフ得意そうじゃないだろ!」
論点ずれてるって。
「なんでもいいのよ、そんなことは。結果としてあの場所がなくなるのだし。あなたは……まぁ別にいいとして」
おいおい。僕の事雑に扱いすぎてないか?これはちょっと年上の威厳を発揮するべきかもしれない。
「もういいぜ……本当に私らを裏切るつもりなんだな……」
カッターを壊された目の前の女子生徒が上川を睨めつけながら言う。それをどこ吹く風とばかしに上川は平然と答える。
「だからそういってるでしょう?何度も同じことを繰り返さないで頂戴。別にこの場にいない仲間だってたくさんいるのだから」
「て、てめぇ!!」
その瞬間、五条と小雪に取り押さえられていた女子生徒は一瞬の隙をついて立ち上がり、目の前のカッター少女と共に上川へとダッシュする。それでも、上川は動かない。ゆっくりと上川はポケットから何か黒い物体を取り出して三人に突き出した。
三人はそれを見て慌てて立ち止まる。
「て、テーザー銃!?」
五条はその武器を知っているようだった。なんだそれ?
「要は銃タイプのスタンガンだ。何でそんなものをお前が持っている!」
「護身用よ。こんな時のためにいつも持っているの。偉いでしょ?」
「何が偉いよ!もういい加減諦めなさい!」
「いいの?ステーキは」
「…………………いいわよ、そんなもの」
今の間は何?
「そう……ならもういいわ。テーザー銃がなくとも私にはこんなものもあるしね」
そう言うと上川はポケットの中から小型ナイフを数本取り出す。
「私ダーツが得意なの。自分でも上手いと思っていてね。ある時ダーツを投げるだけじゃなくてナイフを投げたら楽しそうって思ってやってみたら面白いほど狙ったところに刺さったの。私、才能があるみたい」
「………だから今度は的じゃなくて人を的にするつもりかしら?」
「そうね。勿論殺すわけじゃないけど、傷つけるくらいのことはできるわね」
「流石に殺傷沙汰は先生が黙ってないわよ?」
「問題ないわ。彼女たちだってそこの豚をいじめてたんですもの。自業自得だし、言えるわけないわよねぇ?本当の事は」
「て、てめぇ!」
「うるさいわよ」
上川がそう言うと近くにいた女子生徒をテーザー銃で躊躇なく撃った。撃たれた女子生徒はたまらず苦悶の声を上げる。
「うぐぅぅぅぅぅぅぅ!」
「あはははははは!面白い!初めて撃ったけどこれ最高ね!」
「や、やめるんだ!もう十分だろう!!」
僕はたまらず上川に向かって叫ぶ。しかし、上川はそんなことどうでもいいとばかしに再度僕たちを見つめると、
「さて……と。次は誰がいいかしら?今度はテーザー銃じゃなくてナイフになるけれど」
「もうやめなさいよ!これ以上はもう警察につきだすわよ!」
「警察だってこの学校と同じよ。私には逆らえない」
すると、女子生徒の一人が地面に落ちていた金属棒をこっそりと拾い上げようとしているのが見えた。上川は小雪の方を見ていて気づいてない。
「小雪さん。もういいわ。終わりにしましょう。今日の所は……」
「死にやがれ!」
金属棒を持った女子生徒が上川の不意を突いて右手を思いっきり叩く!たまらず上川は右手を押さえ、苦痛の表情で下を向く。
「うがぁぁぁぁっぁ」
「はぁ、はぁ、これで形勢逆転だな。てめぇらも動くなよ」
女子生徒は上川を後ろから羽交い絞めにし、上川のポケットから小型ナイフを取り出すとそのまま首筋に突きつける。
「あ、あなたこのままで済むと思っているの?」
「済まないだろうな。でもどうせあのままだったら同じことだったんだ。もう我慢ならねぇんだよ、いい加減よぉ!」
上川の首筋から血がたらーっと滴り落ちる。それを見た上川はひぃっと小さく呻く。
「はぁ……私の人生ここで終わりかぁ。高校生にして前科持ちとはな」
「いい加減離しなさい!」
「じゃあな、上川。来世も金持ちだと良いな」
五条と小雪は動きたいけど動けないといった感じだ。ああ、このままだと上川が死んでしまう。
――――死ぬ?
その言葉を考えると、両手が高熱を発したような錯覚に陥ってくる。手のひらには薄く逆十字のマークがあるのだが見ると段々とそれが濃ゆくなってきていた。
「………ヒカリ?」
異変に気付いたのか。小雪さんが僕の方を見ているのがわかった。でも、僕はそれどころではない。
――――熱い 熱い 熱い。
手のひらが燃えるように熱い。だが自分ではどうすることもできない。その熱はおそらく水に浸しても消えないマグマのような熱だった。さらに、頭の中になにか別の言葉のイメージが浮かんでくる。
――――人が死ぬ 人が死ぬ 人が死ぬ。
そうだ。このままでは人が死ぬ。死んでしまうのだ。何もしなければ。
――――死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね。
強烈な催眠術にかかったように僕の頭の中を原因不明の殺意が覆いつくす。
「せ、先輩……?」
小雪が俯いた僕の顔を覗きこもうと下から見上げようとする。しかし、僕はそれを見られまいと両手で顔を隠す。
「あん?なんだ?どうかしたか?まぁいいや。死ね、上川」
そう言うと女子生徒は小型ナイフに力を入れ………
「シネ」
無意識に僕は顔を上げ、上川達の方へ向いてそんなことを言っていた。すると、女子生徒の持っていた小型ナイフが一瞬で粉々になり、やがて消えていった。
「なっ!なんだ! クソっ!まだ他にも!」
女子生徒は慌てて上川のポケットから別の小型ナイフを取り出す。僕はそれを見ると再度言葉を繰り返す。
「シネ」
またもや小型ナイフは粉々になる。僕は自分の体なのだが誰かに操作されているように、ゆっくりと上川達の方へ歩き出す。
「な、なんなんだよ!お前は!こっち来るなよ!」
その質問には答えない。正確には答えられない。熱にうなされた子供のように僕は何も考えることが出来なくなっていた。それでも体は動くのだから不思議だ。
女子生徒はナイフがダメだと思ったのか、近くにある金属棒を手に持つと、僕へ向かって投げる動作をする。
「く、来るな!来たらお前を突き刺すぞ!」
「……………」
僕は答えない。怖くなったのか、女子生徒はたまらず僕にやり投げの要領で金属棒を投げ飛ばす。
「危ない!ヒカリ!」
「先輩!避けて!」
五条と小雪が叫ぶが間に合わない。教室の外では悲鳴が聞こえる。それはそうだろう。このままでは僕の頭は金属棒で突き刺されるという映画のワンシーンのようになってしまう。それでも僕はなにも怖くなかった。死の恐怖が感じられない。死ぬということがどういう事なのかわからない。
「シネ」
僕はまたそう言った。またもや金属の棒は空中で粉々になり、カスさえ残さずに無散してしまった。
ああ、なんだか体がだるい……
「せ、先輩、目が……」
「目?」
近寄ってきた小雪が僕の顔を心配そうに見つめる。そんな顔しなくても僕は大丈夫だよ……
しかし、小雪はなんだか困惑しているようでもあった。なんだよ?
「目に刻印なんて……これはどういう事……?」
刻印?なんだそれ。僕は声に出したいのだが上手くしゃべることができない。もどかしいなぁ、もう……。
僕はそのまま意識が無くなっていくのを感じた。情けないなぁ、後輩に気絶するところを見られるなんて今度会うときはまともに目を合わせられそうもないや……。
小雪さんが倒れこみそうな僕を抱きしめるように支えてくれる。僕が最後に見た光景は放心した女子生徒と上川が生徒たちに取り押さえられている所だった。
なんにせよ、結局誰も重症を負ってないし死んでないからよかったんじゃないかな……
僕はそのまま眠りにつく。よくわからないけど、謎の充足感を胸に満たしながら。
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