入院して暇だったのでライトノベル作ってみたら友人にウケたので退院後にカクヨムとなろうにうpしてみた。(タイトル変更予定)
名無しのポチ
第1章
第1章 第1話
ここは百年に及ぶ王国の圧政で国民たちが苦しんでいる世界。国民たちは未来の見えない中なんとか暮らしている。
この物語の主人公の造田一機は辺境の小さな村で代々引き継がれた畑を耕して生活している。
「匿って頂けないでしょうか? 」
いきなり声をかけてきた彼女の言葉に俺は首を傾けた。
俺たちは今、農場にいる。柵から身を乗り出した見ず知らずの彼女は汚れていてシワだらけのワンピースを着ていた。人攫いにでも襲われたのだろうか。国王から命じられた増税は苦しいが、周りの人より上手く生活をしている俺は人を一人面倒見るくらいには余裕がある。
「急いでいるんだったらとりあえず倉庫の中に隠れてくれ。中に女の人がいるから助けてもらえるよ。」
仮に彼女が盗人だったとしても仕事を手伝ってくれてる芽衣子さんがいるし問題ない。
「ありがとうございます。」そう言って彼女は倉庫に走って行った。
しばらく農作業をしていたら、強面の大男三人がやってきた。
「おい、この辺に女が来なかったか? 」
「見かけてないですね。」
「親分!あの倉庫とか怪しくないっすか? 」
なんて勘のいい奴らなんだ。とはいえ、察しの良い芽衣子さんのことだからあの娘を隠し地下室に匿ってくれてるだろうから問題ないはず。
「好きなだけ見て行ってください。」
「おい、お前ら、聞いたか? 見て行っていいらしいぜぇ!」
「そういう事ならお前ら、じっくり見させてもらおうじゃないか。」
「へい、親分!」x2
俺は念のため倉庫の中に入っていく男達についていくことにする。
「親分!なかなか上質な小麦ですぜぇ!」
「おいてめえ、何不思議そうな顔してんすか? 盗賊に倉庫見せるって中身あげますよって意味っすよ? 」
男達は俺と芽衣子たちが丹精込めて作った小麦に向かって意味の分からない会話をし始めた。
「って事でこの小麦を、貰ってあげるからな。」
「おい、何言ってんだ!そんなの渡せるわけ無いだろ!」
正直言って、そこに置いてある小麦の何倍もの量を地下室に隠しているから取られても問題ないが、ここで騒がないと怪しまれるので抵抗しておこう。俺は親分と呼ばれてる男を思いっきり殴ったら、男は壁まで飛んでいった。物音を聞いた芽衣子さんが倉庫の中に入ってきた。
「何ですか? 大きな音を立てて。びっくりしましたわ。」
手下の男達は人質にしようと芽衣子さんに近づいて行ったが、気性の荒い芽衣子さんは男達の股間を蹴り上げて撃沈させた。(気づいたら俺も股間を手で押さえてた。)
「この人たちをどうしましょう? 」
「とりあえず、自衛団に預けようか。」
「そうですね。私が連れて行きましょうか? 」
「助かる。」
芽衣子さんは大男三人を担いで自衛団のところへ走って行った。
そのタイミングで先ほどの彼女が芽衣子さんと地下室から出てきた。
「貴方って何者なんですか? こんな凄い地下室を持ってるし、メイドロイドって意味わかんないし。」
そう、何を隠そう芽衣子さんはメイド用ロボット……メイドロイドなのだ。ちなみに、彼女の隣にいるのはお世話特化の芽衣子さん1号で、先ほど大男を担いで行ったのは力仕事特化の芽衣子さん2号、あと充電中の芽衣子さん3号も居る。ただ、何者かって聞かれても、地下室だって芽衣子さんたちだって死んだ親父から受け継いだだけだし、俺だって俺の親父は何者なんだって思ってるから答えづらい。
「うーん、死んだ親父から引き継いだとしか答えられないかな? 」
「とにかく、ありがとうございました。」
そう言って彼女は立ち去ろうとする。
彼女はどうやって生活していたのだろうか。これからも生活していけるのだろうか。最近も国王が新しい側室のプレゼントを贈るために増税を発表したしこれまでよりも生活は苦しくなっていくのは確実だ。
「お節介だったら無視して良いんだけど、これからどうするの? もしアテがなかったらここで暮らさない? 」
「えっ、良いんですか?」
そういうと彼女は泣き出した。察しの良い芽衣子さん1号はそっと彼女を抱きしめた。芽衣子さん2号は気を遣うことができないので、1号さんが残ってくれて助かった。
「辛かったんですね。でも優姫さん、私とご主人様がいるからもう大丈夫ですよ。」
「すごく嬉しいですけど、絶対迷惑になります! 間違いなく多大なるご迷惑をかけてしまいます! 良いんですかなんて聞いてごめんなさい。」
芽衣子さんと自己紹介してたようだ。なるほど、須長優姫っていうんだな。
「そんなこと言ってったって、ここは困ってるんなら助け合わないと生きていけない田舎なんだよ。俺だってお隣さんに迷惑かけることがしょっちゅうだし。」
「でも……。」
「お前に迷惑かけるから俺に迷惑かけろ。」
「ご主人様の言う通りですよ、困っている時はお互い様。この家だったら私たちメイドロイドがいるんだから大迷惑なんて起こり得ないの。」
「うー。」
「じゃあ、お前、は他にアテがあるのか? 」
「………………………。」
「じゃあ、ここで暮らせ。」
「………………………ありがとうございます。」
「よろしくな。俺、造田一機。」
「須長優姫です。不束者ですがよろしくお願いします。」
その時突然、優姫がトイレに走り出し嘔吐した。
「大丈夫?、芽衣子さん、ちょっと診てもらえる?」
「分かりました。うーん.........、優姫さん、妊娠してますね。」
「え!? 」え!? って妊娠してたこと知らなかったのかよ。
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