第5章 天空塔ダンジョン編
165 冒険の準備
どうも、リビングアーマーの俺です。
なんやかんやあって、天空塔ダンジョンを正規攻略することになりました。
なんかこれまできっちり世界四大ダンジョンに挑んでる気がする。
大洞窟ダンジョンに迷い込んで。
クラクラをさらったドグラを追って絶海の孤島ダンジョンへ行き。
そして今度はライレンシア博士の装置をなんとかするため天空塔ダンジョンへ。
この調子でどうせ残りの一つも行くことになるんじゃないか……?
もう一つの四大ダンジョンってなんだっけ……?
「いかがでしょうか、お客様」
おっといけね。
よけいなことを考えてた。
俺は着ている鎧を動かしてぶつかる場所がないかどうかを確認する。
着ているっていうか、俺の本体なんだけどね。
〈ああ、よさそう。前より動きやすくなったよ〉
「それはようございました。しかし、さすがドグラ様専属の鍛治師でございますな。うちの職人を全員弟子入りさせて鍛え直していただきたいくらいでございます」
と防具屋の主人に褒められて照れ臭そうにしているのはドワーフ嬢のアルメルである。
今俺の身体になっている鎧はマジカル・アーマー。
ポローナニアでもらったものだ。
かなり丈夫な上、魔力が格段に高く、魔法攻撃までできるようになった。
ただ、かなり古い時代のものだったらしく、ガタがきていた。
あとデザインの問題で動かしづらい箇所が多かった。
そういった問題を、一部を打ち直してもらうことで改善したのだ。
ただ、刻まれている魔法術式が崩れてしまっては困る。
そこで、術式にも詳しいアルメルに手助けしてもらったというわけ。
あ、ちなみにこのフィオンティアーナの住人は大体もう俺の正体を知っている。
エンシェント・ドラゴンのドグラが救いの神として受け入れられているのだ。
その『配下』にリビングアーマーが一体いたところで騒ぎにはならなかった。
天空塔ダンジョンはとても厄介なダンジョンらしい。
しかしこれまでのダンジョン攻略と違う有利な点が一つ。
準備をしっかりできるってことだ。
大洞窟ダンジョンは転がり落ちて迷い込んで否応なくって感じだったし。
絶海の孤島ダンジョンも急いでクラクラを助けなきゃって状況だったからな。
もちろん今回も、ダンジョンから溢れ出るモンスターを止めなきゃいけない。
だからあんまりのんびりしていることはできない。
だが、現状オークのみなさんが押さえ込んでくれている。
確実に攻略できる準備を整えてからダンジョンに向かうくらいの余裕はある。
ってなわけで、俺は鎧の改善をしてもらった。
急ピッチでやってもらって三日。
その間、他のみんなもそれぞれダンジョン攻略の準備を進めていた。
ロロコは身に付けていた革の鎧を新調。
アルメルとクラクラも新しい鎧を手に入れていた。
ラファは特注の義腕を装着。
さすがにビームは打てないが、前より身体能力が上がったようだった。
そしてドグラは……特になにもしてない。
まあエンシェント・ドラゴンに新しい装備もなにもないだろう。
ともかく、そんな感じでそれぞれ準備を整えた。
そして、出発当日を迎えたのだった。
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