14日目

1時30分


はぁーあ。(クソデカ溜息)


結論から云うとこの日記はまだ終わらないし、明日は帰れマンデー!!


思えば昨日のスッキリしない感じはフラグだったわけね。

気分をスッキリさせる為に昨夜は熱めの湯を張って、身体をよく温めてから寝たわけですが、風呂から出た後も一向に発汗が起きず、ヤバい感じがしたので早々に床に就いたのです。


その時点での体温は36.9℃。


んで、この時間になって目が覚めて、やっぱり発汗がないし、身体中あちこち痛いので恐る恐る体温測ってみたら、38.3℃まで上昇しているじゃないですか。


なんでや・・・今日はもうPCRの検査結果聞いて帰る予定だったのに・・・。


仕方ないので深夜だが内線で看護師に指示を仰ぐ。

38℃超えというのは状況としては芳しくないようで、そのまま看護師は医師に取り次ぎ、取り敢えず手持ちのカロナール300mg飲んで様子を見るように言われた。


最後の発熱から1週間。

もう既にPCR検査1回陰性出てるのに、なーんでまたここで発熱しちゃうかねぇ・・・。今までもインフルだの百日咳だの、色々風邪のウイルスには罹患したが、ここまで発熱がしつこいのはポジコロが初めてだわ。何なのこれ?兵器?


6時


カロナールで強い発汗が起きる。横になっていると咳も出るように。

しかし乾性の誘発咳というよりは、痰類の絡む湿性咳なので、そこまで酷くはない。

頭痛+。関節痛+。倦怠感+。熱感+。咽頭痛+。

検温したら37.8℃。


7時


看護師から電話。先程の体温を報告。

水分を摂るように指導。でももう殆どお茶とか飲み尽くしちゃったんだわ。

サンガリアのジュースならまだあるけど。

今はまだ様子を見るしかないという。食欲があるようなら食事は摂れとの事。

いや、全食残さず摂ってるわ!


7時30分


定時検査。

その後も発汗は続いており、起きるとやはり解熱していた。

KT36.9℃。SpO2 98% Hr85。

辛うじて下がったという感じだが、もうカロナールの効果は切れている時間なので、これからどうなるか判らない。


何でも良いけど早く帰らしてくれ・・・。

でも、埼玉では自宅療養中に急変して死んだ人もいるので、これは帰らしてもらえないかもね。下手するとまた入院とかマジで勘弁してほしい。


はよ帰ってスーパーの総菜で良いから寿司食いたい。


7時40分


電話で先程の数字を報告。

事務的ではあるが、話し方から要注意人物にされてる感が伝わってくる。


8時


窓を開けて換気する。汗も引いて来たので外気の涼しい風がむしろ心地良い。

身体べたべたするので、カロナールで結構な発汗があったものと思われる。

このまま日中解熱したままだといいが・・・。


8時30分


プリキュアは再放送になっていた。

ふーん、えっちじゃん。


9時


鬼太郎も再放送されていた。

デカマナだぁ!(歓喜)


10時


今日は大人しく寝て過ごす事にする。


11時


内線で起こされる。医師の診察を受けてもらうとの事。

地味に発汗している。検温してみると、37.3℃。


弁当のフロアで完全防護服の医師による診察。

診察と言っても、検査器具も何もないので、問診と聴診器による肺聴音の確認。

肺の聴音には異常はないとの事。まぁ、起きてれば呼吸苦も咳も出ないしね・・・。


医師の説明によると退所の条件は体温37.5℃以下の状態が24時間以上維持されるって事らしいので、昨夜38℃以上出たワイ氏は申し訳ないが退所NGという事にされてしまった。もう2回PCR検査をやってもらうと言われ、気持ちが絶望の淵に堕ちる。


・・・嘘やろ・・・アレまたやるんか・・・?


12時


気分が沈むので昼食までつべでゴーストライダーを見ていた。

ハリウッドじゃなくてスウェーデンの方。

そういえば大昔に2chバイク板「お前のバイクはどのクラスの四輪と同じ加速?」に動画を提供した事がありましたね・・・。単気筒のマイナー車種だからあまり注目は浴びませんでしたが、資料として残す事に意味があるから(至言)


こんな時代だ、何もしなくたって誰しもいつ死ぬかわからんぞ!

みんなも二輪免許取って、バイク乗ろう!命の炎を燃やそう!


ちなみに、昼食のレベルはここにきて一気にグレードダウンした。

店頭価格税別398円の幕の内弁当かな?


13時


SGWより電話。

最初の方に送られた支援物資が遅配に次ぐ遅配でようやく届いたらしいのだが、最初は病院当て→ビジホ側への転送を挟んだので、ビジホからはもう受け取れないと一点張りで拒否されてしまったという。


え、それは・・・。


荷物の内容は恐らく替えのシャツだと思うんだけど、1週間は営業所にキープしてくれるそうなので、果たしてワイ氏は1週間以内に退所して受け取りに行く事が出来るのだろうか・・・?


13時50分


身体がだるく横になっている。体温測ると37.4℃。

おいマジでいい加減にしろよ・・・。

ポジコロに対する静かなる怒りが沸々と湧いてくる。


14時20分


看護師から内線。

結論から云うと昨日のPCR検査結果は「陰性」で、本来ならばこのまま帰宅という流れになる筈だったのだが、夜の間に高熱が出てしまった事により、全てパーになってしまった。埼玉の自宅療養死のニュースの事もあって、医療者側としても流石にこれは帰せないよ、と。


次の検査は明日かと思いきや、発熱が収まって24時間程間隔を空けてからPCR検査というルールがあるらしく、どうも明日はPCR検査は無理そうらしい。今もまだ発熱してるし。


この時点で先程のポジコロに対する怒りが再び熱を帯び始める。ワイ氏はもう一刻も早く帰りたいんや・・・。寒気と筋肉痛が襲う中、いくら布団にくるまっても発汗する兆候もなく、絶望感だけが頭の中を支配していく。


もうキレた!

自分は自分なりに戦うで。


15時


持参したOTCの葛根湯を服薬する。

アビガンだの医師の判断に影響がーだの細かいこと考えて今まで飲み控えていたが、もう知らねぇわ!やれることは全部やるゾ!ワイかて専門家や!

今の自分の身体に起きているポジコロの「症」が葛根湯の効能適応に一致する事ぐらいは承知の上だ。


葛根湯と水をがぶがぶと飲み干し、横になる。


16時


少しずつ発汗が起こるのを感じる。

発汗のない熱感冒の場合、葛根湯に含まれる生薬は、体内部の熱を体表面に表すという効果を持つ。これらの生薬(生姜・桂枝・麻黄)はしばしば辛かったり、刺激のある味をしている事から、「辛温解表」という考え方に基づいて配合された生薬に相当する。そして葛根湯には甘草による全身の弱い炎症や筋肉痛を和らげる作用もある。咳があれば麻黄湯が良いのかもしれぬが、今の自分は全く咳症状が無いので、葛根湯でちょうど良いという訳だ。


ちなみに、「辛温解表」は何も生薬だけの考え方には留まりません。ネギだのショウガだのと言った身体を温める食材は、こうした体内に宿る「邪気(発汗のない悪熱)」を汗として身体の表面に出すという作用を持っているのだ。


山岡家のラーメンが食いたいという欲求にはちゃんと意味があったというわけやな。可能ならば今すぐにでもネギ増しでニンニクをモリモリ入れて喰い、コロナウイルスも逃げ出すくらいのくっせぇ汗をドバドバ出しまくりたい。


17時


初回負荷をかけてない為か、どうも葛根湯の効果が薄い。

発汗は徐々に出ているが、なんというか、こう勢いが足りない。


ここにきて強い空腹感に襲われている。

今猛烈に食べたいのは、焼肉!ホルモン!根菜たっぷりの豚汁!

とにかく発汗を促すために必要なあらゆる食材の数々だ。


この空腹感も葛根湯の作用の一つと考える。

葛根湯を使う判断の一つに、食欲の有無という大事な要素を忘れてはならない。漢方は漢方だけで病気を治すのではなく、必ず食事とセットで使われるべきなのである。逆に言えば、身体の免疫にブーストをかける葛根湯は、食事も摂れないような弱った状態の人間には逆効果だ。

時々ろくに食事も摂れてないようなご老人に「食事かな?」って大量の漢方薬出してる医者いるけど、(以下検閲)


とにかく食だ!食が無ければ熱が表に出る事もない。

バナナウンコ療法は高まった熱をバナナのカリウムで鎮め、豊富な食物繊維による排便作用によって「悪熱」を外に放出するという治療法であったが、今はもうそれが使えない。与えられた弁当のパワーを最大限に発揮するための葛根湯は、むしろ最適解だと考える。


17時30分


定時検査の時間。

KT37.1℃、SpO2 98%、Hr100。

発汗が弱いため、微熱継続。

ここに来て保健所から配布されているシチズンの体温計に対する不信感が高まっている。音が鳴ったり鳴らなかったりするため、持参したオムロンの体温計にシフトした。


17時45分


電話による報告。

発熱している旨は確認された。


少し早いが、この時点で夕食時の葛根湯を服薬する。

漢方は食事の効果を最大限に生かすため、食後2時間か、或いは食前30分の内服が理想的だ。


18時


夕食の案内放送があったので受け取りにいく。

内容に肉がある事を祈りながら蓋を開けたが、なんとメッチャ意識高い系の小鉢弁当であり、おかずがほぼ漬物という有様にガチギレしそうになる。


さながらその内容は

「晩御飯は城崎温泉で松葉ガニ食べるし、お昼は軽めにしとこうね~!」

と、昼下がりの特急はまかぜ内で食うべき駅弁であり、身体の内部に籠った「悪熱」を放出するためにはあまりに心許ない内容っ・・・!


それでも完食した。

疲れた身体に梅干しが美味しかった。(小並感)


18時30分


肉肉しさに欠ける夕食ではあったが、2回目の葛根湯でその効果は顕著に表れてきた。肩こりが解消し、筋肉痛も緩和。発汗も起こり、身体が良い意味でホカホカと温まってくるのを感じる。スッキリしない不快な熱感ではなく、鍋食った後のような心地よい熱感だ。「悪熱」を放出するというのはこういう事を云うのだよ、諸君。


19時


足先まで温まり、一瞬発熱に対する勝利を感じたが、検温してみたら体温はまだ37.7℃ある。うーむ、まだ今は身体が一生懸命「悪熱」を外に出している状態か。こういう時は風呂には入らない方が良いので、今日は入浴を控えてこのまま就寝する事にする。替えの服ももうほとんどないし・・・。


そんなわけで、本当は今日で終わりになる筈だったポジコロ入院記、まだまだ続きます。果たして、SGWの荷物を無事に受け取る事はできるのだろうか?


ぐっない。

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