第181話 モブ令嬢と六大竜王(後)

 旦那様が偽神器シュギンによって攻撃をしたあの後、レオパルド様やリュートさん、さらにアルメリアにメアリーも偽神器を顕現させて攻撃を始めました。

 マリーズも偽神器バルトを顕現させましたが、いまこの場でどのように扱うべきか逡巡いたしました。


『マリーズ、貴女はその盾の力を彼らの前に展開なさい。私がその力を強化します。私の聖盾は、竜王たちとその子はシュクルでしたか、あの子と背に乗る番いの守りに集中しますので』


 つっ、つがい……たっ、確かに間違いではございませんが……

 バルファムート様のあまりにバッサリとした言いように、私が赤面してしまっておりましたら、バルファムート様とマリーズの近くに降り立って魔法の構築をなさっていたアンドゥーラ先生が大魔法を放ちました。

 先生が放ったのは、得意にしている火炎系の大魔法です。

 しかしその火に全身を包まれながらも邪竜はなんの痛痒も感じた様子もなくズルズルと進みます。


「クッ、やはりダメか! この重大局面に来て役立たずとは……。残念だが、私はここでは足手まといでしかないな。リュートたちの手にある偽神器の攻撃では僅かながらも変化が見えたが……私の魔法では現象が発現するだけで、邪竜に変化が見られない」


『貴女は――アンドゥーラでしたね。邪竜は元々、聖杯ムガドが浄化するために溜め込んでいた邪な欲望なのです。ですが聖杯が、我々に成り代わろうとした人間によって邪杯へと零落された事によって、その者の欲望が邪竜という実体を創り上げてしまった。あそこまで巨大化してしまうと、火によって散らすことはもう無理です。我らが手にする神器やそれを模した武器でなければ、あれを浄化することはできません』


 ……いま、バルファムート様は火によって散らすと仰いました。まさか……、私はその言葉を耳にしてあるひとつの疑問が浮かびました。

 私がその疑問を口にする前に、アンドゥーラ先生が先に言葉を発します。


「……火によって散らす? まさか! 茶会の時のローデリヒ……あれは、倒したというより、穢れた欲望を蒸発させて散らせただけだったという事か!?」


 それに、ブラダナ様のところに移動なされた先生は詳しくご存じありませんが、いまのバルファムート様の言葉どおりならば。五〇〇年前、トーゴ王は黒竜王様に取って代わろうとなされた。彼のその強い欲望が聖杯を零落させ、この邪竜の形を生み出したのですね。

 ただ、ひとつ腑に落ちないのは、ライオット様は、竜王様方は黒竜王様がしいされた事実をご存じなかったような感じで話しておりました。

 私は、ストラディウスを奏でながら、送音の魔法を使いバルファムート様に声を届けます。


「バルファムート様、竜王様方は黒竜王様がしいされたことをご存じであったのですか?」


『ええ、私たちは神より時を同じくして生み出された存在です。故に繋がりがあり、私たちが生きているからヨルムガンドも復活できるのです。かの竜王が命を落としたとき、私たちは瞬時に悟りました』


「それでは何故……何故、黒竜王様が穢れた欲望に呑まれ、邪竜と化したなどという話をそのままにしておいたのですか? 黒竜王様が不当に貶められたことになると思うのですが」


『まあ――フローラだったかしら、貴女は優しいのね……。ヨルムガンドは迂闊であったのですよ。それに事実よりも、いま貴女の言った話の方が、人間たちが己の身を正す一助となると判断したのです。人間がその身に余る邪な欲望を抱き続けると、ヨルムガンド黒竜王が邪竜になるぞ! と……。まあ、肝心のヨルムガンドはいまだ復活に時を要するようですが』


 そういうことだったのですか。

 あえて黒竜王様を人間たちの恐怖の対象とすることで、地に邪な欲望が満ちることを抑えていたのですね。

 私とバルファムート様がそのような遣り取りをしていた間にも、竜王様方や旦那様たちは邪竜へと攻撃を続けています。

 その皆さんの攻撃をよく見ておりますと、彼らの攻撃が当たった場所が僅かに色合いが薄くなり、そこからキラキラとした鱗粉のようなものが散っているようにも感じられます。

 あれはもしかして、泥濘のように実体化した欲望が浄化されて散っている……ということでしょうか?

 ですが、そのように浄化しても、上空から邪竜へと供給され続ける新たな欲望の黒雲によって、邪竜の肉体は元の状態へと戻ってしまいます。


『私たちの神器にも浄化の力はございますが、やはりそれを担っていたヨルムガンドの力には遠く及びません』


 私の思考を読んだわけではないでしょうが、バルファムート様はそのように仰いました。

 おそらくは、私たちが邪竜の身に起こっている現象に気付いていると考えての言葉でしょう。


「そういうことか……この場で力になれないのは心苦しいが、仕方が無い。私は支援に回ることにしよう。邪竜の進路、王都との間にはモーティス公爵領がある。私はかの地に向かい住民を避難させる。バルファムート様、皆のことをお願いします」


 アンドゥーラ先生はバルファムート様にそのように仰いますと、飛行魔法を使って私の元へとやってまいりました。


「……フローラ。五〇〇年前の逸話どおりならば、君のストラディウスは竜王様方の力をも強化できるのだ。いいかい。この戦い、君が要である事を忘れるな」


 先生は厳しいお顔でそう言いますと、次の瞬間にはどこか恥ずかしげな表情になります。


「それから……魔法薬を置いていくが、くれぐれも無茶をするんじゃないよ。いいね」


 アンドゥーラ先生はそう仰いますと、傷薬や体力、魔力の回復薬、毒消しなど一通りの魔法薬を私に手渡してから、モーティス公爵領へと瞬転魔法を使って転移して行かれました。





 邪竜との戦いが始まってよりどれほどの時間が経過したのでしょう。

 私たちがライオット様と修練場で待ち合わせたのは中天の二時間ほど前のことでした。


 昼頃になって、『フローラ様! 我ら金竜騎士団、援軍としてやってまいりましたぞ!!』と、ドルムート様を筆頭に金竜騎士団の方々が飛竜を駆ってやって来たのですが、彼らの駆る飛竜たちは邪竜の放つ威圧感に押されて、王都の防衛戦でトーゴの飛竜部隊の攻撃を華麗に捌いていたときの動きは見る影もございませんでした。

 さらに邪竜が上げた咆哮だけで数騎の飛竜が怯んでしまい、まるで攻撃を受けて墜落でもしたように地上へと旋回しながら降下してしまいました。


 丁度そのとき、私たちはバルファムート様の守りの中で休憩中だったのですが、そのさまを目にした旦那様は、「『まるで特撮の自衛隊機……』」と仰って、それを耳にしたシュクルが「プフッ!」と、吹き出しました。


 なんでしょうか……旦那様とシュクルが秘密を共有しているのに、その仲間に入れてもらえないような疎外感を抱いてしまいます。

 私が、そんな思いに少し焦れた気持ちになっておりましたら、さらに、動きの鈍った金竜騎士団の竜たちをめがけて邪竜が触手を放ち、青竜王バルファムート様は守りの力を余計に使うこととなってしまったのです。

 そのとき私は、バルファムート様の額に青筋が浮かんだのを目にいたしましたが……見なかったことにいたしました。

 その後、静かな口調なものの、有無を言わせぬバルファムート様のによって彼らは、アンドゥーラ先生と共にモーティス公爵領での住民避難の助力と、さらに私たちへの食糧や魔法薬などの運搬を担ってくださることとなりました。


 いまは日も傾き始めて、あと一時間もすれば日が沈むのではないでしょうか。

 夏のこの時期、日が沈むのは夜の九時を回りますので、戦いが始まってから少なくとも一〇時間は経過しているのでは?

 邪竜は既にユングラウフ平原を越えて、モーティス公爵領の領境へとその身を踏み入れてしまいました。

 竜王様方は、底の知れないその力で延々と戦いを続けております。

 人である私たちはそういうわけにはまいりませんので、青竜王バルファムート様の守りの中で、随時、補給をしたり休憩を取りながら、僅かながらにでも邪竜の力を削ぐ為に微力を尽くしております。

 いま私は、シュクルと旦那様と一時の休憩のためにバルファムート様の守りの中に身を寄せて、戦いの成り行きを見守っていました。


 天空に渦巻いていた欲望の黒雲は夕を迎えた辺りで消え去りましたが、その身に穢れた欲望を溜め込んだ邪竜は五大竜王様方の倍近い大きさにまでなってしまっております。

 ただ邪竜には足がなく、ナメクジやカタツムリのように腹足ふくそくで、じわじわと這行しているので、巨体の割に進みが遅いのが救いです。


 その邪竜は、黒い泥濘の触手をウネウネと伸ばして、前進を妨げる竜王様方や私たちを攻撃してまいります。

 リュートさんにレオパルド様、さらにメアリーは、マリーズが展開している偽神器バルトに守られながら、自分たちを狙ってくる泥濘の触手を切り払っております。

 邪竜を構成している黒い泥濘は、穢れた欲望が実体化したものだそうですので、邪竜の身体に近付かずに攻撃できるのは却って好都合です。

 ただアルメリアは、自分の偽神器、婚姻の儀でも使われるブランバルトの利点を最大限に生かそうとしているのでしょうか、盾であるバルトの力を、自分の身体を守れるギリギリの大きさに絞ることで強化して、二本三本と迫り来る触手に向かって、無謀とも思える特攻のような攻撃を繰り返しています。

 クルークの試練でブランバルトを手にしてから、彼女は旦那様たちとの修練でも、ブランバルトを最大限に生かす剣技の鍛錬をしておりましたので、その成果が現れていると捉えていいのでしょうか?

 確かに……四人の中で一番攻撃を通しているのがアルメリアなのです。ですが、友としてハラハラとする気持ちを抑えるのに苦労いたします。 


『前回もそうだったが、切りが無い!』


 赤竜王グラニド様が、既に何度目になるのかも分からない聖槍グランディアによる攻撃を仕掛けました。

 邪竜の身体からは鱗粉が舞い散るように、穢れが浄化されて散ってゆきます。

 それでもお構いなしに前進を続ける邪竜に苛ついたのでしょう。

 グラニド様が突進いたしました。


『グラちん、ダメなのだ!』


 邪竜へと突進して行かれたグラニド様の身体を、緑竜王リンドヴィルム様が聖鞭リンヴィルで捕らえ進路を変えます。

 次の瞬間、邪竜の身体にある黒い泥濘の触手が何本も伸びてグラニド様を襲いました。

 グラニド様は身を捻ってそれから逃れようとなさいましたが、泥濘の触手は意思を持っているようにぐにゃりとグラニド様を追います。

 泥濘の殆どはバルファムート様が展開している聖盾バルトの力によって遮られました。しかしその中の一本が、聖盾バルトの守りを避けるようにして竜王様の身体を掠めました。


『ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』


 ジュゥ!! っと、赤く焼けた鉄でも押し付けられたように、触手に掠められたグラニド様の左の頬から煙が上がりました。


あれ邪竜はボクたちは相容れない存在なのだ。神器以外の攻撃は通らないのだ』


『五〇〇年前と同じ愚を犯すとは――迂闊だぞグラニド』


『本当にグラニドは短気ですね』


 そのように緑竜王様、白竜王ブランダル様、銀竜王クルーク様から立て続けに言葉を掛けられたグラニド様を目にして、それまでバルファムート様の守りの中で、この戦いをずっと傍観しておられたトルテ先生が、堪えきれないように「プフッ!」っと吹きだしました。さらにそのまま、笑いの壺に嵌まってしまったように腹を抱えて笑っております。

 ……先生、いくらなんでもその態度は赤竜王様に無礼ではないでしょうか。


「いや、まさか……それも五〇〇年前とまったく同じ場所に――」


 トルテ先生の、笑いすぎてヒィッ、ヒィッっと息を切らす様子に腹を立てたのでしょうか、グラニド様が邪竜への攻撃から外れて、突然こちらへと飛んでまいりました。

 グラニド様は私たちの側までやってまいりますと、その身を幻影のごとく霞ませて、その中からまるで燃え上がるような赤髪をした逞しい男性が飛び降りてまいりました。

 整った顔立ちの方ですが、邪竜の攻撃を受けた左の頬が赤く焼けただれております。

 彼はズカズカとトルテ先生の前までやってくると、どこか拗ねた様子で言葉を吐き出します。


「ウルセえぞテメエ! 初めからここに来ていながら高みの見物を決め込んでやがるテメェーに何で笑われなけりゃなんねーんだ!!」


 人の姿に変化なさったからかは分かりませんが、グラニド様の口調が威厳を取り払ったぞんざいな感じになっております。

 それにしましても、トルテ先生は何でグラニド様が五〇〇年前に傷を受けた場所が同じであると……まるで直接目にしたことがあるような感じで……。


「いや、グラニド――君だって知っているだろ。ボクの切り札は何回も使えるものではないんだ。適切な頃合いというものを見計らっているのだよ」


 グラニド様の文句に、先生はよく知る相手に対するような、惚けた口調で仰いました。

 ……え? それは……まさか!?

 いま私は、間違いなく大きく目を見開いて先生を見ていることでしょう。

 旦那様も、私と同じように驚きを隠せない様子です。

 シュクルだけが話の流れを理解できずキョトンとした感じで、驚き顔の私と旦那様を見ております。

 その私たちの様子を見回して、先生がやれやれといった感じで肩の辺りで両の手を広げてみせました。


「ああ、グラニド……、君のせいでボクの正体が大事な教え子にばれてしまったではないか。まだまだオルトラントでは捜し物を続けなければならないというのに……」


 私たちが先生の正体を理解したと分かったのでしょう、その口から出たのは私たちの理解を肯定するような言葉です。

 そんな、本当に……先生が、金竜王様……。

 先生の言葉に、グラニド様が呆れ顔になりました。


「はっ! ……テメエ、まだ自分の愛し子を見つけられねぇのかよ」


 グラニド様のバカにしたような言葉にも、先生はヘラリとしたいつもの気楽な様子です。

 その正体が分かっても――本来のお姿を目にしたことがないからかも知れませんが、私には、やはり先生は先生であると感じられてしまいます。


「生まれたことは確かなはずなんだけどね。いっこうに見つからないのだよ。各地でノルムの眷属には邪魔されるし散々さ……」


 トルテ先生はそう仰いますと、何故か旦那様に視線を向けました。


「なんといっても、ボクの愛し子と縁が繋がっていたはずの男が……まあ、彼女はボクの大事な教え子であるわけだから文句を言うわけではないのだ。……うん、無いのだが、何故かノルムに気に入られた娘と結ばれてしまってね。彼にはおかしな事が起きないように祝福を与えておいたというのに……。まったく! ノルムの執拗さには本当に頭にくる! いや、でも、フローラが幸せになってくれたのは嬉しいんだよ。うん、それは間違いない。でもね、ブランダルや君とは違って、ボクにとっては初めての愛し子なんだ。是が非でも見つけてみせるさ」


「オメエは、何を言ってるんだ」


 グラニド様が、腰に手を当てて呆れ顔になってしまいました。

 それにしましても……旦那様が金竜の愛し子と縁が繋がっていた。という言葉は聞き捨てなりません。

 ただ、それでも先生は、私が旦那様と結ばれ幸せにしていることを喜んでくださっていると知って、嬉しく思いました。

 しかし、トルテ先生の捜し物とは、先生の……金竜の愛し子だったのですね。

 ああ……それで。

 クラリスさんとの出会いや、ブラダナ様のところを訪ねたという理由が分かった気がいたします。

 それに……トーワ皇国への用事というのは……食事であった訳ですね。

 もしかして、ウェントを先生に託したのは迷惑であったでしょうか? 竜王様のお力でなんとかなったのなら良いのですが。

 ……もしかしたらウェントは、トルテ先生と物凄い冒険を繰り広げたのかも知れませんね。

 驚きに満ちた先生の正体に私は、そのような寓話じみた想像が頭に浮かんでしまいました。

 ですが、そんな私を現実に引き戻すような鋭い声が響きます。


『グラニド! 早く戻って来ないか!! 邪竜が穢れた欲望を回収した以上、後は手数で浄化するしかないのだからな!』


『ウルセーぞ、ブランダル! いま行く! ……それから、シュガール! その愛し子を探したいなら、早々にコイツをかたづけた方がよくねーか』


 グラニド様はそう仰いますと邪竜の方へと駆け出して、赤竜の姿へと変じて空に舞い上がりました。


「いやいや、まったく。……まあ、そういう訳でね。ボクも少々邪竜の討伐に力を貸してくるよ」


 トルテ先生は、恥ずかしいのか、ポリポリと頬を掻いて照れくさそうにそう仰いました。

 その時、それまでポカンとしていたシュクルがぽつりと口を開きました。


「トルテ……シュクルのとと様なの?」


 そんなシュクルの言葉に、先生はさらに恥ずかしそうな様子になってしまいます。


「うん……まあ、そういうわけだよシュクル。悪かったね……ボクのせいで君は、長いこと卵に押し込められたまま時を過ごさねばならなかった」


 先生の言葉に、シュクルは首をブンブンと振ります。


「ううん、ううん、そのおかげでシュクル、パパとママと一緒になれたの、父様がノルムに嫌われてて、シュクルは大好きなママとパパと出会えたの。だから、父様……ありがとうなの」


「あっ、いや、これはダメだ……、竜王たるもの人前で感動の涙を流すなど……」


 シュクルから感謝の言葉を掛けられて、いつもは残念な惚けた表情が張り付いている先生の美しい顔に、感動の表情が浮かびました。僅かに瞳が潤んでおります。

 ですが、先生はご自分の主義を通そうとするように、剽げた表情をつくりました。


「まあ……正体がばれてしまったし、事が終わったら君たちにも、愛し子捜しを手伝って貰いたいのだが……構わないかな? それに、フローラが手伝ってくれれば、ノルムの眷属たちの邪魔が入りそうにないしね」


 ニコリと作り笑いを浮かべるトルテ先生に、私は一度旦那様と視線を絡め合ってから、本当の笑顔を浮かべて向き直ります。


「分かりました先生。だから……きっと邪竜を倒しましょう」


 私は、その正体を明かしてもまったく態度を変えず、激しい戦いの中に赴こうとする先生を送り出すために、師弟の愛情を持って抱擁をしようといたしました。


「…………え?」


 次の瞬間……何故か私は、昏い闇の中に囚われておりました。


この子フローラはボクのだ! お前にはやらない!!』


 そう叫ぶ声が闇の中に響き渡りました。

 その声はとても強い悲しみに満ちていて、まるで泣き叫ぶ子供のような声。

 私には……その声は聞き覚えがございました。


 闇が、私を深く包み込みます。まるですべてのものから私を奪われまいとでもするように……。

 ああ……遠くで……、遠くで、旦那様とシュクルが私を呼んでいます……

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