第12話 勇者カッピー実食する。
さて、料理は後半戦へ。
私は前回フランベに挑戦したんだけど、まあ、結果はご存知の通りです。めちゃくちゃ炎上しました。
まさか、物理的に炎上するなんてねぇ、炎上したのはフライパンなんですけど。
後は簡単な野菜炒めを作りました。こちらは特に問題なかったですね、だって下味をつけて豚肉炒めて野菜を加えて作るだけでしたからね。
そんなこんなで四人前作った料理を机に運びます。
私の自信作です。片方だけサメの照り焼きとかいうとんでもない代物ですけど、味は多分、大丈夫な筈です(ちょっと焦げてますけど)。
「実食!」
『うーん、この』
『火事になるとこやったな』
『火遊びはメッやで』
「全く皆が言う通りね」
「ポンコツだからな」
「そういうとこもカッピーちゃんの可愛さよね」
皆からは辛辣なコメントと言葉が飛んできます、当たり前なんだよなぁ、ごめんなさい反省してます。
そして、リーンさん、よくわかってらっしゃる、結婚しよ。
冗談はさておき、見栄えは良いとは思います、見栄えはね、味も一応、試食しながら料理をしたんである程度は保証出来るかと。
サメを料理したのは初めてですけどね、私頑張ったよ皆。
これは、私の料理チャンネルを作っても良いかもしれない、こう見えて料理するのは大好きなのです。
私が作ったサメの照り焼きを口に運ぶ皆さん、そのお味は?
「う…ん、美味しいのは美味しいのだけど」
「カッピーちょっと焦げてる」
「だな」
『うん、燃えてたしな』
『けしカスにならなかっただけマシ』
『カッピーェ…』
「な、なんだよう! 美味しいなら良いでしょう!? 美味しいなら!」
そう言って反論する私に皆からジト目が返ってくる。
うん、ごめんなさい、調子乗りました次は気をつけます。でも、野菜炒めは真面目に作りましたからね! そっちは多少マシな筈です。
それから、皆さんは野菜炒めを口にします。すると、先程とは打って変わり、目がキラキラしていました。
なんだ皆して、しいたけみたいな目しやがって。
「美味しい! カッピー!」
「ふふん! でしょう? そうでしょう!」
「普通の料理の方が美味しいという衝撃の真実」
「んなっ…!?」
『変に背伸びするから…』
『お詫びにパンツ脱げ』
『おっぱい揉んでもらえ』
「辛辣すぎでしょう!?」
流れてくるコメント欄にツッコミを入れる私。
いやいや、セクハラに特化しすぎです。誰得なんですか、私のセクハラされるシーンなんて。
皆さん、もうちょっと紳士的にいきましょう、変態紳士なら問題無いとかは聞いてないです。
さて、それからしばらくして皆さん完食しました、いやはや、美味しかったですね、色々ありましたけど。
「さて、じゃあ、シャワー浴びようかな? 誰から入る?」
「じゃあ私から先に頂いて良いか?」
「良いよー」
『カメラは持った』
『ハァハァ』
『よし俺も入ろう』
「はーい、皆はお外で待機しましょうねー」
そう言って、カメラを外に出すリーンさん。
うん、見せるわけ無いだろう、このチャンネルが吹き飛んでしまうわ。女の子のいやらしい姿を簡単に拝めると思ったら大間違いだぞ諸君。
まあ、というわけで、その後は適当に話をしながら今日の配信を終了しました。
ここからはプライベートだからね? 女の子のプライベートは見せられ無い事だってあるんです。
しばらくして、シャワーから上がってきたシーちゃんは綺麗な金髪の髪を拭きながら、Tシャツに薄いピンクのパンツというラフな格好で出てきた。
おいおい、女の子だけだからといってラフすぎですよ、スタイルが良いので余計に色っぽく見えます。
「あー…さっぱりした」
「ねぇ、シーちゃん、下は履きなさいよ下は」
「女だけなんだから別に良いだろ」
ナッチーが言ってもこの返しである。とはいえ、ナッチーも普段から家ではこんな格好をしているためか、それもそうね、と言ってあっさり引き下がってしまった。
プライベートだらしない女の子多すぎでしょう、私も含めてですけども。
しかしながら、女の子同士とはいえ、他の人と一緒に過ごすのって緊張しますよね。
「じゃあ! カッピー! 一緒にシャワー浴びよう!」
「うぇ!?」
だから、こんな爆弾をいきなり打ち込まれて動揺してしまう私は何にも悪く無い筈だ。
い、一緒にシャワー浴びるなんて聞いてない! 思わず変な声が出てしまいましたよ!
女の子同士とはいえ、いかがなものか? ん、でも普通なのかな? わからん! 今まで引きこもって来たから一般的な常識的にどうなのか全くわからん!
動揺する私にナッチーはニコニコしながら、服の襟を掴みズルズルとシャワーに連行していく。
「あっ! 待って! 心の準備が…っ!」
「大丈夫大丈夫! 先っちょだけだから」
「何が!?」
ナッチーの格言、先っちょなら問題ない。
もう定着しつつありますよね、私はなされるがまま引きずり込まれるようにキャンピングカーにあるシャワー室に連行されていきました。
いや、別に一人ずつで良かったと思うんですよね。
リーンさん、一人で落ち着いて外でコーヒーを飲まずに助けてくださいよ、貴女の妹ですよ!?
そんなこんなで服を脱がされた私はナッチーと一緒にシャワーを浴びる事になりました。
というか、スペース的に二人入るとやっぱり少し狭いような…。
そんな事を考えてる中、ナッチーは私のある部分を見て目をキラキラさせています。
「うわぁ…カッピー大っきい…」
「あ、あんまり見ないで…」
「まあまあまあ」
「あっ…! さ、触るのは…っ! ん…! そこは敏感だからっ!」
きっとシャワー室からは姦しい声が聞こえて来てる事でしょう。
シャワーを浴び終わり、先に上がったシーちゃんはキャンピングカーの中にあるソファに腰掛けたまま、雑誌を開いたままシャワー室の方を見つめる。
そして、私の溢しているいやらしい声に呆れたようにため息を吐き、こう呟いた。
「何やってるんだあいつらは…」
そうだよね、私もそう思う、それからは何というか洗いっことかいうナッチーの意味のわからない提案のせいでセクハラが過激化したことはいうまでもない。
うん、何か大切なものを失ってしまった、そんな気がします。
というか私が意図した事ではないですからね! なんもかんもナッチーが悪い。
そんな感じで、シャワーから上がった時には私の目は死んでました。
「あー気持ちよかったー! また入ろうね! カッピー!」
「…う…うん…」
可愛い熊さんのパジャマに着替えた私はツヤツヤな顔でシーちゃんと同じようにTシャツに白い刺繍の入ったパンツ姿のナッチーに答える。
というか、ナッチーもシーちゃんのことなんも言えないやんけ! Tシャツにパンツ姿って!
女の子に幻想を抱いている皆さん、見てください、これが女の子の実態です。
あ、配信切ってるから見れなかったね、すまんな。
さて、そう考えていた私なんですけど、この二人のだらしない姿をリーンさんがさらに越えてくるとは思いもしませんでした。
最後にシャワーが終わり、出てくるリーンさんでしたが、その格好はなんと。
「ふぅ…シャワー頂きました」
「ちょ!? リーンさん! 服! 服ゥ!」
全裸で出て来たのです。いやいや、いくらなんでもそれはぶっ飛びすぎです、せめて何か履いてください。
そんな反応を私がしてると、首を傾げたナッチーは私にこう告げて来ました。
「え? お姉ちゃん、家ではいつもこんな感じだよ? まあ、寝る時はパンツとブラは付けてるけど」
「あのさぁ…」
私はナッチーの返答にカクンと頭を落とす。
何にもおかしくないみたいな感じで答えないで!
ここ家ではないんですよね、一応、キャンピングカーなので、もしかしたら他の冒険者の方とかに出会したらどうするつもりなんですかね本当。
リーンさんはその後、下着を付けてはくれましたが、上下紫の下着は攻めすぎだと思います。誰に見せるんですかね?
そんなこんなで、私達の騒がしい初めての野営の夜は過ぎていくのでした。
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