第3話 いざ夢の現地へ-彼女の場合

彼女の博士課程の課題は古代遺跡の年代測定で遺跡に出かける事には何の不思議も無かった。

バイトの日程を調整し彼女はオーストラリアのパースへ向かった。

彼女はパースに着くと街の散策もせずに洞窟に向かった。

その洞窟はパースから車で約3時間の処にあった。

マーガレット・リバーと言う処の近隣に4つの洞窟があり夢に出て来たものがどれかは判らなかった、また、4つの中にあるのかさえも判らなかった。

4つの洞窟とは「マンモス・ケイブ」「レイク・ケイブ」「ジュエル・ケイブ」「ニルギ・ケイブ」である。

パースからマーガレット・リバーへ行くには3つの方法がある。

電車を使う方法、バスを使う方法、車を使う方法だ。

但し電車の場合、全行程を電車と言う訳にはいかない、電車は途中のバンベリーまでしか行かない、その後は乗り継ぎのバスを使う。


アメリカ人の彼女はアメリカ人らしく車を利用した。

オーストラリアはアメリカと異なり車は左側通行であり大抵は慣れるのに時間が掛かるのだが彼女は世界中を旅行していてオーストラリアも何度も来ていた。

だが、これまではケアンズ、シドニーなどの東部、南部ばかりだった。

彼女が左側通行を始めて経験したのはロンドンでだったが、その時は大変だった。

左右に曲がると右側へと行きそうになるのだった、長年の習慣は怖いと思ったものだ。

今では最初に意識の切り替えが出来る様になり一日で対応できる様になっていた。

そんな訳で彼女はパースに着いて直ぐにレンタカーを借りマーガレット・リバーへ向かった。

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