夕凪
おおきなお船を
麦わらぼうしにかくれて
人ごみで見送った
だいすきなひとたちが
手をふりながら
水平線で見えなくなって
まっさおな海
まっさおな空
お船のけむりがまだみえる
お船をこいで
どこまでもわたれるって
笑ってせなかを向けた
汽笛といっしょに
もどってくるって
右うでをびしっとあげた
またかにさんを捕まえよう
待っててねって
ゆびきりしたんだ
おわかれしたいの?
まっしろな帆も
まっかっか
砂にうまって
お日さまのせいだね
かもめさんも
お空をぐるぐる
まわったまんま
なみもお歌も
ひびかない
とおくの後ろの
ほそながい汽車も
がたんごとんって
とまらない
ぎんぎらぎんの
海のまえ
砂のうえでひとりで
さんかく座りしてたの
まっかな空
まっかな海
おおきくておおきくて
お船をこいで
水平線をこえた
おわかれしたいの?
ほんとうに……
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