アイドルとしてではなく一人の女の子として見てください!

ユニコーン

第1話  プロローグ

「こんにちは、みなさん。

      河崎千鶴といいます。

         これからよろしくね。」

外では勢いよく桜が舞った。

そう言った彼女こそみんなが騒ぐ原因となった人だ。



「ねぇねぇ。もしかして河崎さんってあの有名なアイドルグループの河崎さん?」

「そうそう。うちも思った。」

「私も。」

僕はその会話を遠くからラジオ感覚で聞いていた。

「あははは。やっぱりバレちゃったか。

そうだよ、私があのキャンディーフレッシュの河崎千鶴だよ。」 

クラス全員(自分を除いた他の人)がざわついた。

「えーー!すっっごーーい!」

「握手してもらっていい?」

「サインして〜」

「俺、こんなかわゆいアイドルと同じクラスなんて親に心から感謝。」

「それなそれな」

クラスからは性別関係なく話し声が聞こえてくる。


「ほらほら。みんな座った座った。」

そう言って2時間目の担当の先生がやってきた。


そこからというもの休み時間が始まるたびにクラスの人ならず、違うクラスの人までも質問しにやってきた。


放課後になったにも関わらずまだ質問攻めにあっている。

相変わらず可愛そうだな。

でも、それがアイドルの洗礼なのだ〜

なんてことを考えながら話を聞いていた。

「ごめん。そろそろ私、帰りたいかな」

「ごめんごめん。よければ私と帰らない?」

「未央だけずるいよ」 

「私と帰らない?」

それに続いて私も私もといった声がこだました。

「本当にごめん。私このあと用事あるから」

そう言って彼女は走っていった。


クラスのみんなも帰り教室で一人、本を読んでいるのにも飽きてきた、

「そろそろ帰るか...」

そんなことを考えながら廊下に出た。

すると後ろから袖をちょんちょんと引っ張れた。

「えーっと。」

なんて名前だっけ?

川島?

宮島?

「えーっと、なんのようかな?」

名前が思い出せなかったので名前を呼ばなかった。

「君に少し話したいことがあるんだ。」

そう言って僕を引っ張っていった。

そう、なんとか千鶴が

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る