メカゲーム世界に転生して最強ロボ無双~アルティマビルド~

モト

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 本項ではアルティマビルドの世界について基本的な事項を解説する。


◆機械


・希少金属

 アルティマビルドの世界には、特殊な機能を持つ様々な希少金属が存在する。技師たちは希少金属を活用して機械を開発している。また希少金属は機械生体リビルドの体にも使われている。


 希少金属の中でも特に重要なのは金属流体のヒヒイロカネである。

 四つの状態を持ち、それぞれを使い分けることで機械の主な機能をまかなうことができる。

 赤い状態をアカガネと呼ぶ。エネルギーの蓄積機能があり、機械内のエネルギー蓄積や伝達に用いられる。

 青いアオガネには外部からの入力を処理する機能があり、主にセンサー系で使われている。

 白いシロガネは論理演算や記憶保存などの情報処理を行い、神経系にも使用される。

 黒いクロガネはエネルギーを喪失した状態である。

 機械の基本構造を成すために使われる基本素材であり、機械生体リビルドや機構樹もこれらを構造材としているので比較的入手しやすい。


 ミスリウムは高硬度で耐熱性も極めて高い希少金属である。フレームや装甲材、近接武器に適しているが、希少性が高く入手しづらいのが難点だ。


 オリハルコニウムは入力されたエネルギーを高効率に変換放出するのが特徴だ。電気信号によって形状を変化させることもできる。ミスリウムと組み合わせることで、形状記憶や衝撃波発生などの機能性装甲を作ることができる。


 アルティウムは機械に生命を与えるという伝説の金属である。かつて機械生体リビルドを創造した際に余さず用いられて今は残っていないとされる。


・エネルギー源

 植物の機械生体リビルドである機構樹が、太陽光を受けて転換物質を産生する。転換物質は常温核融合の燃料であり、これが機械生態系の基盤となるエネルギー源である。

 草食の機械生体リビルドが機構樹を食べ、肉食の機械生体リビルドが草食の機械生体リビルドを捕食し、いずれ壊れた機械生体リビルドは機構樹の素材となって、エネルギーは循環する。


・素材

 この世界の機械生体を構成する金属は機械細胞で構成されており、通常の金属よりも高い性能を発揮する。技師は加工スキルによってその性能をより高く引き出すことができる。

 高度な腕を持つ技師は複合機能性加工を行い、素材そのものに特殊な機能を追加することができる。彼らは希少金属を複合させて複合機能性構造を構築する。

 硬度、軽量を兼ね備えつつ、センサー、出力、演算、再生などの能力を合わせ持つ。この加工がされた金属は鱗のように煌く。


機械生体リビルド

 機械細胞で構成された生命体。

 動物系は基本的にフレーム構造を持つ。フレームには、四足型、二足型、飛行型、六足型、八足型、超多脚型、無脚型など多様な構造が存在する。

 希少な特殊フレームとして龍型、変形型、合体型などもある。


 動物型の機械生体は小さいタイプでも数メートル、大型は数百メートル以上に達する。


 エッグイーターリビルド:

 エッグイーターは大型重機型のリビルドであり、アズマ鋼原の地下機構層に生息する。

 リビルドの卵を主食とし、口吻部のドリルで穴を開けて内部を吸収する。

 十メートルを超える長さの双腕を使うことで、卵の運搬や他リビルドへの攻撃、地下の掘削など各種の作業を行う。


 コガネリビルド:

 アズマ鋼原に広く生息しているコガネリビルドは甲虫型の小型リビルドであり、三メートル程度と小さく狩りやすいことで知られる。


 ドラゴンリビルド:

 ドラゴンリビルドは三百メートルもの巨体を持ち、翼によって飛行までも可能としている極めて強大なリビルドである。

 超音速で飛行し、可変翼と可変ベクタードノズルによって巨体ながら高機動である。

 鱗のような表面は複合機能性装甲で、堅固にして軽量、センサー機能や自己修復機能、衝撃波出力機能などを持つ。


・対リビルド用機械

 人間はリビルドに対抗するために各種の機械を開発している。


 アーマービルドは服のように装着する一種のパワードスーツである。

 各地に普及しており多様な規格が使われている。

 アズマ工房市が生産しているアーマービルドの共通規格はグソクと呼ばれ、反応性の高さが評価されている。

 グソクはコガネリビルドから奪った装甲と関節機構を使ってオーダーメイドで仕上げられるためスペックには個体差が大きいが、おおむね高さ二メートル強、重量三百キロ程度である。

 グソクの装甲は全身を覆い、関節機構が手足を増力してくれる。しかし手足の関節角度を細かく指示して操作せねばならず、操作を補助するような制御機構はないので操作には熟練が必要である。

 グソクはエネルギー源として背部にアカガネのタンクを装備しており、そこから各関節機構にパイプでアカガネが供給される。倒したリビルドからアカガネを吸引するためのポンプ機構を持っているので奥地での長期活動も可能である。


 重アーマービルドはおよそ八メートル級の大型アーマービルドである。

 ある工房が独自カスタマイズで生産している重グソクも八メートル級であり、破格のパワーを持つものの、グソクを単純に拡大した構造から非常に不安定であり、操作が難しすぎて普及していない。


 ホイーラービルドは車輪によって移動するタイプの乗り物ビルドである。二輪、四輪、六輪などのタイプがある。

 この世界では平坦な地形が少ないために道路が整備された都市でしか使われていない。


 ウォーカービルドは大型で多足の重機型ビルドである。

 建設作業が主な用途だ。

 八本足のスパイダービルドが有名で、足は作業用アームとしても機能して複雑な作業をこなすことができる。


・転換臓

 転換臓はリビルドの心臓部であり、エネルギー源であるアカガネを循環させる他、蓄積した転換物質を常温核融合でエネルギー転換して、消耗したアカガネを再活性化する役割も持つ。



◆世界

 この星の表層は広範に機械化されており、自然や有機生命体には乏しい。


・アズマ鋼原

 アズマ鋼原は大陸東部に広がる機械化エリアだ。

 このエリア全体が機械細胞によって構成されており、サンゴ礁のような一種の巨大生命体である。

 表層には植物のリビルドが繁茂している森林地帯も存在する。

 南東部には人間が多く居住する。

 北東部は危険な大型リビルドの生息地であるため人間による侵入は難しい。


 アズマ鋼原の地下には機械化された機構層が広がっている。多数のリビルドが生息しており危険だが、機械の自己メンテナンス機構が点在していてそこからヒヒイロカネなどの素材を入手することも可能だ。

 特に深い地下には特に希少な金属が蓄積されているとも言われ、一攫千金を狙って潜る猟師たちもいる。


・転換神殿

 アズマ鋼原が自らを支えるために生み出した天然の常温核融合炉と転換物質タンクを、人間はアズマ転換神殿と呼んでいる。

 数百メートルもの高さと幅を持つ太い塔状の構造物であり、極めて巨大な転換臓を収めている。

 転換神殿にはドラゴンリビルドが住みついており、他のリビルドや人間から守っている。

 人間の中には、稀にドラゴンと深く交流する能力を持つ者が誕生する。この能力者は龍巫女と呼ばれ、龍と人間の平和な関係を取り持つ。



◆人間


・晶紋

 機械生体から得られるポリマーを食べることによって人体も機械細胞を取り込んでいる。

 機械細胞は人体の中で安定した機構を構成して、機械との交信能力を生じることがある。

 この世界の人間には一般的な能力であり、この能力を持つ者は手の甲に青い六角形の模様が現れる。

 この晶紋を介することによって人間はリビルドから奪った機械生体パーツを制御できる。グソクの操作もこの晶紋によって行われている。よって、この世界の乗り物には基本的に操縦桿の類はついていない。

 交信能力には個人差も大きく、極めて高い能力を持つ者は額に六角形の晶紋を生じる。額に晶紋を持つ者は、龍巫女として龍との交信を担う役に就く。龍巫女はリビルドが奥深く隠している情報を読み取ったり、操作することも可能だという。

 

・国家

 大陸東部には工房都市国家が点在している。大陸東部にはリビルドが多数生息するのでこれを利用した工業が盛んである。

 有機的な自然が比較的多い大陸西部には大型の国家もあるが、リビルドに乏しく技術力は低い。

 近年の大陸東部ではリビルドの生息地拡大が人間にとって大きな脅威となりつつある。


・工房都市

 工房都市には多数の工房が置かれ、技師たちが働いて、機械の研究開発、生産、メンテナンスを行っている。

 工房ごとに特色があり、それぞれ武器、鎧、道具、乗り物などの生産や建設などを担当している。

 制御技術が発展していないこともあり、大量生産よりも手工業が主流となっている。

 工房には若者を育てる学校の側面もある。

 工房は組合によって統制されており、組合が工房都市の政治を大きく担っている。

 工房都市の周辺では食糧生産プラントが稼働しており、工房都市の生命線となっている。

 工房都市の技師たち他都市との商売を商会に依存している。

  

◆機猟会

 リビルドを狩る猟師の組織が機猟会である。

 猟師をやるには機猟会から免状を受けねばならない。免状は、初級、中級、上級、特級、超級に分かれる。

 免状を受けるには、上位者三名の推薦と実績記録が必要である。

 免状に実体はなく、晶紋に各種データが焼き込まれる。


 アズマ工房市の機猟会では、アズマ工房市で生産されているアーマービルドのグソクを狩猟時の標準規格として使用している。

 主要装備の電磁槍は二股に分かれた先端からの電撃によってリビルドの機能を停止させる。伸縮機構を持ち、伸ばして貫く使い方が一般的である。

 鋼弓も使われているが、厚い装甲を持つ大型リビルドには通用しないのが難点である。

 この世界には火薬が普及していないため、火薬式の銃火器や爆弾などは使われていない。

 また光学兵器やビーム兵器の技術は発展していない。


・商会

 都市間の交易を担うのが商会である。

 商会は各都市の商業エリアに商館を置き、製品の流通を行っている。

 大陸全体に商館を持つ重合商会は工房にも強い影響力を持ち、市場の安定を重視して技術革新を阻もうとする動きを見せていることから、一部の工房とは対立関係になりつつある。



・神話

 アズマ工房市には以下の神話が伝わっており、これに基づいた祭りが開催されている。


 かつて新天地を求めて旅立った若者たちはアズマの地に神殿を発見したが、多くのリビルドが暴れていて近づけなかった。

 若者の一人である少女が森の奥に入って神に祈ると龍面人身の男が現れた。

 男は龍の化身、龍王であり、リビルドを追い払って神殿の守り神となった。

 少女は龍に仕える龍巫女となった。


 秋の奉納祭では龍の仮面を被った男が龍王に扮し、神殿まで練り歩いて龍巫女と踊るのが恒例の行事だ。


・伝説

 かつて技術の誤った進歩によって制御不能なヒューマンリビルドが出現し、世界を滅ぼしかけたとの伝説が残っている。このため制御技術の発展には懐疑的な者も多い。しかしこの伝説は比較的最近に広まったものであり、考慮に値しないとして技術革新に積極的な技師たちもまた存在する。


・食事

人間はプラントから得られる培養肉や培養植物を主な食料としているが、高級食材として有機動物の牧畜や農業も存在。機械生体の関節部などに使われている潤滑材のポリマーも食べられている。



◆アルティマリビルド

 MMOオープンワールドゲーム。量子サーバー上で動作しており、原子一個までをも再現すると言われている。

 あらゆるメカを製造、使用することができるとされ、他プレイヤーとの共存、戦闘、都市の建設、戦争などなんでもあり。

 製造に用いる素材は原子レベルでいじることが可能。

 自由度が極めて高いだけに、プレイヤーにも高度な開発スキルが要求される。

 この世界に機械生体を生み出すことを夢とするプレイヤーもいるが、いまだ成功した者はいない。

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