22




この陽気だ。


程よく温かい海水はきっと気持ちいいことだろう。

これこそ、海に来ないと出来ないことである。



あいにく着替えは持ってきていないから、浅瀬を歩き回るぐらいしか出来ないが、それでも上等だ。


靴と靴下を脱いで裸足になり、ゆったりと寄せて引く波打ち際へと向かう。


遠くに見える海は青いが、浅瀬は透明で砂浜が透けて見えている。


そこに足を踏み入れた。


温度は丁度人肌くらい、穏やかな波の動きが肌から伝わってくる。

足しかひたしていないというのに、ゆりかごに揺られているような心地だ。



裾を捲し上げて、すね辺りまでつかる。


時々、子供みたく海面を蹴り上げてはしゃいだり、両足を揃えて波の揺れを楽しんだ。



すっかり気を抜いていたところ、足に何かが触れてきた。


どうせすぐ離れるだろうと、気にしないことにしたが、そっと触れる程度だったそれは徐々に大胆さを増し、とうとう足首に巻き付いてきた。



(え、なに!?)


と足首の方を見下ろした。


巻き付いていたのは…


A海藻→23

Bクラゲ→19

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