第38話 4/30-A 四月も終わり
「信じられない…… もう今日で四月が終わりだぜ!」
「え? いつもこんなもんだろ?」
「いやいやいやいつもだったらもっと仕事来るんだよ」
「あ、そっか……」
そう、いつも仕事をくれる恩師やその関係者達が今年は大学の授業や研究や何やらのスケジュールややり方がすっかり変わって…… 変わらざるを得なかったために、こっちも仕事もまるで違ってきてた。
ある人は多かったし、ある人はさっぱり無かった。それがいいのか悪いのか判らない。そもそもいつも仕事は不定期だし、量もまちまちだし。
「それでも四月はいつも多かったんだけどななあ……」
「九月になるんじゃね、そのうち」
「そんなことも言われてるよなあ」
テレビやらネットやら。九月に学校は始めた方がいいんじゃね? 論。
「季節感的にはそらまあ、春は別れと出会いの季節、なんだけどさあ」
「んー、でも最近じゃなあ…… 夏はもうぐだぐだ冷房の効いたとこに二ヶ月くらい居た方がええんじゃね? 都会なんかじゃ」
「いやうち等だって暑いだろ」
「北海道は涼しいって兄貴が言ってたぞ」
「ここは東海地方だぞ」
「まー高さでも違うしなー。盆地だったら猛暑だし。ともかく親父等の時代より夏が暑くなってるって言うしな。下手に夏休みの宿題なんてあっても何もできねーよなー。進路も入ってから出来るできない決める位の余裕が欲しいよなー。つかうち等そんな感じだったぜ?」
「そっちそうだったん?」
こいつとワタシは高校は一緒だったが科は違った。こいつのは明らかに実践向きで、ワタシは大学受験対応だった。
「結構途中で資格試験とか受けさせられたからなー。別に取れなくても卒業できたけど、取れないと就職厳しいからって、結構真面目になったぜ」
「あ、だからそっちの実習の時って皆髪の毛とかきちんとしてたんだ」
「そらそーだ。巻き込まれると大変だろ。刃にちょっとでも当たったら大惨事。長袖長ズボン、ゴム長、手袋、草が細かく飛ぶからゴーグル、メーカーはヘルメットも推奨してるぜ」
「ヘルメットも!」
「高枝切りの電ノコとかだったら頭から降ってくることもあるしな」
「大変だ」
「まあでも鎌でやること考えればなー」
「確かに」
それはウチの、決して広くはない裏庭兼畑ですら言える。こいつのとこはそれどころじゃない。
「でもま、今日は鎌だな」
「……うん」
「やらないと今日庭キャンができない」
「……わーってるって」
そう、今晩は庭キャンをするのだ!
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