強制VR?MMO

トースター

第1話 神様との契約(強制?)

 死んだ。いや、死んでしまった。帰宅時、車に轢かれた。状況を判断した瞬間に死んだから何も思うことは出来なかった。


 洒落たカフェにありそうな丸テーブルを挟んで彼?と話す。自称神様な彼はの話を一から十まで聞いてくれた。も何故か初対面のはずの彼には嘘偽りなく、自分をさらけ出すことが出来た。


 ≪そうか。それで君はこれまでの人生に未練や後悔あるかい?死を受け入れることができた?≫


 そうだな。少しは続きが気になる小説とかはあるけど、そうだな……。前から人生やり直したいと思っていたし、事故で死んだなら慰謝料とかでて、金銭面で家族に迷惑をかけなくて済むからいいかな。血を残す的にも兄がいたし。


 ≪そうか。残念だよ。神様としては生きることに魅力を感じてほしいところだけど……。そうか、これまでの後悔が重荷になっているんだね。でもそのぐらいの失敗で死にたいなんて、君は傲慢だね≫


 それは自分でも理解している。自分でも大したことないんだろうなと理解はできるが、納得できないし、ふと思い出すたびに死にたくなったものだ。


 ≪でも、そうだね。ちょうど私も試してみたいことがあったし、どうだい。取引と行こうじゃないか≫


 取引?


 ≪そう、取引さ。君は【DEL】を知っているかい?≫


 あー。あれか。世界唯一の完全型VRMMOとかいう……


 ≪そう、それ。あれ、私たちが運営しているんだけど、ちょうどキミのようなサンプルが欲しかったんだよね≫


 サンプル?


 ≪そう、君って趣味が続かないタイプでしょ?≫


 確かに。


 ≪そういう人がプレイしたときにどうなるか、データが欲しいのよ≫


 でも神様ならわかるのでは?


 ≪予想と現実はズレが生じるものよ≫


 まぁ……それで取引というのは?


 ≪君の寿命を5年延ばす。その代わり【DTL】をプレイしてもらう。ただ、そうね……君にはその後、ゲームデータと記憶を引き継いだ状態で異世界へ転生する。これならゲームを続けられるんじゃない?≫


 ……それなら、できるかな?というかそれって拒否権あるのか?


 ≪それでは、そういうことで契約成立!頑張ってね~≫


 なかったみたいだ

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