小さく大きい近所の子

キザなRye

第1話

 これは私が高校生の時の話である。春休みに入り、学校もなく家の近所では小さい子達が走り回ってきゃっきゃっ言って遊んでいる。今は分かることだが車を運転する方からすればどこでどのように飛び出してくるのか分からないので今まで以上に警戒して運転する必要があるほど元気であのくらいの子達にとっては外で駆け回るくらいうちに秘めたエネルギーが沢山ある。


 春休みに入ってから私と来年から中学校に入る妹と家の庭で遊んでいた。私自身、あまり外で遊ぶことが好きであったわけではないが妹のしつこいくらいの誘いを断りきれず外に出た。二人で、二人の中では特に何ともないような遊びをしていた。


 しばらくして春休みに入ってから毎日のように見かけていた近所の子が家の敷地の少し外で立っていることに気がついた。彼の眼差しと表情などから考えて私達の遊んでいるところに混じりたいという思いがあることは見て取れた。


 私は妹の方に寄っていって私が読み取った状況を話し、聞いてみて一緒に遊びたいというのであればそれでも良いかと尋ねた。妹は肯定でも否定でもどっちとも取れる反応で再び聞くのも気が引けたので私の独断で肯定と捉えた。例え後で何かを言われたとしても誘って無理矢理一緒に遊ぶようにした妹のその行動が悪いのだということで解決すると決めた。


 彼は私が近付いて来るとと少し眉を潜めた。急に近付いてきた私に対して警戒心を抱いたのであろう。私は警戒心をナダめるためにしゃがんで同じくらいの目線の高さにしてから


「一緒に遊ぶ?」


と笑顔と優しい口調を意識して話しかけた。潜められた眉が少しずつ上がっていって口角も上がった。かつてないほどの満面の笑みで首を縦に大きく振った。


「よし、おいで。」


さっきまで私のいた位置に彼を連れていった。

 

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