落穂拾い

たおり

第1話 クイズ~君を~(お題は「溶ける」)

「ねえ」

 そう言って、ナオミは俺にスマホを見せた。

「この答え何だと思う」

「…憎しみを溶かしてしまう食べ物?」

 何かのクイズらしい。当たればポイントか何か貰えるのだろう。

「アイスなんじゃない?」

「え」

 ナオミは首を傾げた。

「何それ、なんでアイス?それ違わない?それ凍ってるじゃない」

「いいから、とにかくアイス」

「ふーん、じゃ"アイス"ね」

 答えを送った途端、ナオミは口を尖らせた。

「ほら、やっぱり違った"肉まん"だった。」

 俺はその顔を見て、思わず吹き出してしまった。

「何よ、何がおかしいのよ。それになんでアイスなの?」

「だから、それは…」

 まったく、鈍いな。

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