ポッカリーネ

ポッカリーネは強い女の子です。

少なくとも、ハルホスからするととっても強く、しっかりと生きている芯の強い女の子でした。

「私は強くなんかないわ。少しだけ、あなたより気持ちをコントロールすることが上手いだけよ。そもそも世の中に強い人間なんていないもの。」

ポッカリーネは言います。

「私ね、小さい頃は泣いてばかりいたの。」

「信じられない……」

「ある日ね、泣いてることがバカらしくなったの。」

「どうして?」

「だって、私が泣いたって、誰もなんにも気にしちゃいないんだもん。」

「……うん。」

「だからね、バッカみたい。そう思ったの。神経図太くないとこの世の中、生きていけないなって。」

「……そうだね。」

泣いてばかりいるポッカリーネをハルホスは想像することが出来ませんでした。

しかし、こうして気丈に振る舞っているポッカリーネにだって弱い部分や弱い感情はあって、きっとどこかでたくさん泣いてきたから僕のような人間の気持ちが分かるのだと、自分のような生き物に寄り添えるのだと思うと、こうして泣いている毎日がいつか誰かを助ける材料になると思えました。

どんなに強く思える人にだって弱い部分や気持ちはあって、上手くそれらと向き合っているのだと思いました。

「強いだけの人なんてさ、そんなのは嘘っぱちよ。それは"哀しみと罪悪感を持たない"、ただの憐れな奴なんだわ。」

「哀しみと罪悪感を持たない、憐れなやつ……」

「本当に強いって言うことは、本当に自分が弱いことを知っている人よ。」

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