信じること

ポッカリーネは言いました。

大丈夫。大丈夫だから。

信じることが肝心よ。

信じていれば、なんだって出来るわ。

出来ないことなんてないのよ、信じていればね。

大丈夫。できるわ、私を信じて!!


ハルホスは、ポッカリーネを信じて、手を伸ばします。


そう、ゆっくりよ!出来るわ!あなたなら出来る!


ポッカリーネの励ましにより、ハルホスはだいぶと勇気を振り絞ってようやく登りきることが出来ました。


"ほらね、ここからの景色は美しいって言ったでしょう?"

"下から見ても綺麗だよ…"


いつもは丘から眺めている夕陽を、一番高い木の上から見ようとポッカリーネは提案したのです。

"下からは、下からしか見えない景色があるの。ここからは、ここからしか見えない世界があるの…"

登りきった時、夕陽がちょうど地平線に入ったところでした。

"信じることが肝心よ。信じていたらなんだって出来ちゃうんだから。"

"…そんなことないと思うけどな。信じてたって、あの夕陽に触ることは出来ないじゃないか。"

無理やり木に登らされたハルホスは拗ねてみせます。

"それは本気で信じていないからよ。できる人とできない人の違いは、信じているか信じていないか、よ。"

不安定な枝の上で、ハルホスは思います。

来年も、また来年も、ずっと、ずうっと、夕陽が見られますように。

この景色を、僕もポッカリーネも忘れませんように。

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