里芋でできた心臓

韮崎旭

里芋でできた心臓

 コインロッカーに置いてきた肝臓、駐車場で投げ捨てた肺忘れていたかったから乾かした副腎昼間の蛙に食べられた膝蓋骨長方形の円錐に閉じ込めた砂糖菓子の冠状縫合健常者きどって笑みの隙間に零れ落ちた脳幹信じるものは救われたから燃やした延髄気取らない街が嫌いだった上腸間膜動脈吐けよ吐けばいいのに吐けば楽になれるから吐けよ吐けって後ろ向きな視床下部は鉛に溶かしてまもなく夜になる、まもなく朝になるこの二つに大差はないからおおきな蕪ができそこない腐る夜間の賠償を見るまで待っていたのに誠実に、真実は、あなたではないので、待っていたのに、窓から身投げした右心房、もういないよ、いなかったらよかったのにね、。そうだろうともさ、チャーハンが足りてないからこんなことになるんだ、今すぐ縫い合わせろ「は?」お前の胃潰瘍と人参!


 チャーハンが足りてないから被害妄想に陥るし私がさえない人口の加工品とともに発作を閉じ込めることを義務的に執行することになるのをお前さては知らないな?毎晩吐き気の中に詩人の捨てた倫理観がもがき苦しんで自己否定を繰り返しているのを見るのは苦しいかい?そうだね答える術を僕は持たないので、足してみようか、平行四辺形の音叉と策謀をチャーハンに、夜が暮れることには人が明るくなる、気がふれたように踊る赤い風車の路傍のねこの落書きとも宣伝とも見解とも広告ともつかない皮下注射のあかるい目に書き足したのは光輪だったのか、そうか正教会から柩の運び出し、お前の吸血鬼伝承の綾、さながら奇矯さを気取ったローベルト・ヴァルザー作品集1だったように思うけれど、夜明けの先の自動発祥機に調べた良くしみ込んだ出汁が熱を帯びてかかりきりになるには部隊の8分は流すぎた、きりの良い言語が見かけたらその場所で、あなたが、違えばいいのに、それからが長い航跡の屍のような受戒の知りもしない事実関係の誤差と自傷のゆれる音階に半音足してあげてね、みていて、さようならはチャーハンが足りてない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

里芋でできた心臓 韮崎旭 @nakaimaizumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ