第275話 クッキー

「外からでもよく分かったけど、やっぱり浜辺の家デカすぎないか……?」


西新くんはリビングに入ると、部屋の広さに驚いたようで扉の前で立ち止まってしまった。


「やっぱりそうだよね……。

父さんと母さんはこれくらいが普通って言ってこの家を建てたらしいんだけど、さすがに部屋一つ一つも結構広くて掃除とか大変だよ」


特に姉さんは、出したものを元に戻さなかったりするから大変なんだよね……


そして、僕が心の中で姉さんのグチを言いながらキッチンに移動すると西新くんもついてくる。


「えっと、リビングで座ってていいよ……?、

飲み物つぐだけだし」


「いやなんというか……

広すぎて緊張するというか、なんとなくソファーに座りずらいというか……」


まぁ確かに、知らない人の家の広い部屋に1人きりは、居心地悪いよね……そこまで考えてなかった。


結局僕はコーヒー、西新くんはコーラにしてリビングに移動したところで僕は1つ思い出してキッチンに1度戻ると、冷蔵庫から1つ小さな袋を取り出した。


「なんだそれ?」


「昨日折木さんにもらったクッキーなんだけど、いる?」


あの後、何枚か食べさせてもらった後凄く美味しかったのであまりを全部貰ってしまったのだ。


「お、これいいな!普通に店出したら売れそうだし!」


「まだあるよ。でも、僕も食べたいから全部はダメだよ?」


そうしてもともとのゲームをして遊ぶ予定も忘れた僕達は、しばらくお茶会(のようなもの)をして雑談しながらクッキーを食べ尽くしてしまうのだった

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