第251話 伝説
──西新くんの告白と同時刻。
ステージ裏側からグラウンドに戻ってきた僕はすぐにクラスの男子に呼ばれて謎の集まりに参加していた。
見たところ集まっているのは全員同じクラスの男子みたいだけど……
「なぁ、キャンプファイヤーの伝説ってどう思う?」
1番に話し始めたのは、クラスのリーダー的存在の……たしか、吉村くんだったかな……?
「アニメとか漫画の世界だったら、キャンプファイヤーで一緒に踊った男女が結ばれるって伝説みたいなのがよくあるだろ?ああいうのってどう思う?」
吉村くんの問いに、どこからともなく声が上がった。
「んなもんデタラメだ!リア充は自爆してしまえ!」
そして、それに続くように他のみんなも……
「そうだそうだ!」
「たいたい!そんな時に踊ってる時点でもう結ばれてんだよ!見せつけやがって!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
うん、これなんの集会なの?
「まぁまぁ同志たちよ。慌てるな」
「すまん、取り乱した」
「平常心平常心……」
「ふぅ……
危うく火炎放射器をぶっぱなしながら「リア充は消毒だ〜!!」なんて叫んじまうとこだったぜ……」
なんか若干1人やばい人がいる気がする……
こういうのは関わらない方が吉だよね。
「で、原田。結局この集まりはなんなんだ?」
ようやくこのわけの分からない集会にツッコミを入れたのはなんか頭良さそうなメガネの人だった。
ただ、10秒に1回くらいのペースでメガネを押し上げているところから見るに、普通に頭は悪そうだ。
というか、リーダーの名前、吉村くんじゃなくて原田くんだった……
「良くぞ聞いてくれた吉村!
俺がみんなを集めた理由……それは!
俺たちが伝説になるためだ!!!」
──は?
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