第233話 ラブレター?

西新くんとの約束の件──星宮さんとの橋渡し役としてのお仕事第一回目は、最初だと言うのになかなかに責任重大なものを任されてしまった。


「どうしたらいいんだろう……」


僕は右手にあるラブレターをいろんな角度から眺めて「うーん」と考え込む。


まぁ中身については教えてくれなかったけど、本人は「ラブレターとかじゃないから!?」とか言ってた。


星宮さんに手紙を渡す方法は2つだ


①星宮さんに直接渡す

→中身に名前は書かれてないし、僕じゃないことは星宮さんもわかるとは思うけど、なんだか渡す時に恥ずかしくなってしまう


②机の中or下駄箱に入れておく

→星宮さん鈍感だし、そういうのには気づかずに、警戒しそう……

最悪読まずに捨てることもありえる……



──うん、①だな……


さすがに捨てられたら西新くんの心が持たなそうだし、何よりそれは僕も見ていて悲しい。


「そうと決まれば早速、今日の放課後の図書委員の仕事の時に渡すことにしよ──」


「何を渡すんですか?」


心夏から話しかけられ、反射的に手紙を背中に隠してしまう。


「い、いや?姉さんに借りたものがあって返しに行こうかな〜って?」


「そうですか……」


心夏は少し考える素振りを見せた後、「葉幸くんは委員会でしたよね?私、先に帰ってますね?」と言って教室を出ていった

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