第217話 失礼しました
借りてきた鍵で扉を開けて中に入ると、1番に目に飛び込んできたのは熱い抱擁を交わす男女でした。
『は?(え?)』
この場にいる4人、全員が同じように固まり動けなくなります。
そんな中、一番最初に行動したのは葉幸くんでした。
「し、失礼しました〜……」
葉幸くんは私の手引っ張って一緒に外に出ると、扉を閉めてしまいました。
「「違うんだ(ます)!」」
しかし、すぐに体育倉庫から男女2人が勢いよく扉を開けると聞いてもないのに弁明を始めます。
「聞いてくれ!俺たちは、体育倉庫に閉じ込められて出られなくなってただけなんだ!本当だ!」
「そうですそうです!
変な勘違いをしないでください!
今のは、コーくんが暗くて怖いっていうから、仕方なく私がああしていただけです!」
「そうだ!あーちゃんが怖いって言うから、どうにかして安心させてやれないかなと思っただけなんだ!」
何なんでしょうかこの2人?
それをイチャイチャしてたというんですよ?
「へ、へぇ〜
そうなんだ……」
「た、大変でしたねぇー……?」
「「本当だからな(ね)!?」」
息を合わせて反論してくるバカップ──ではなく、2人は最終的には『君たちは何も見てないし、知らない。いいね?』と言って校舎の方へ戻ってしまうのでした。
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