第193話 心の中で叫びし者

(きたぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!)


こんにちは。心の中で叫びし者、真田幸一郎です。

もちろん、今の叫びは最近登場機会が増えていることに関してではありません。



あ、ごめんなさい。それも凄く嬉しいので登場回を減らすようなことだけは辞めてください。(土下座)



……まぁ、そんなわけで、今叫んでいた理由なんだが簡単に言うと、だ。


──どうやら、俺のラブコメが本格的に始まったらしいんだ。



おっと、「ないない、ありえない」とか「勘違いだろ?」なんて言葉は受け付けてないぜ?


それに、今回に関しては間違いようのない事実が現在進行形にて形となっているからな!


え?勿体ぶらずにさっさと言え…?


まったく、せっかちだね君たちは!

なら教えてあげよう!俺たちは今──


「真田くんの手、さちくんのと違ってちゃんと男の子してるんだね〜?」


そういって、女神様は握った僕の手をムニムニとして感触を確かめている。


「て、ててててててて、手を、手を繋いで──」


「ん?……あ〜これ?でもならこのくらいするでしょ?」



友達……ハッハハハッ……


そうだよね〜。女神様が、平凡モブキャラ恋するなんてラブコメが現実においても存在するなんて考えるのは良くないよね〜


「さちくんとだって良くするよ?」



ナ゛ン゛タ゛ト゛……


ほ、ほ〜ん?さちが?毎朝?学校行く時に?お姉ちゃんと?手を繋いで?仲睦まじく?登校?


──いいじゃん、弟


俺はそんな弟という存在の特権を羨ましく思うも、今は葉柚さんの手に全神経を集中させ、思考を放棄する事にしたのだった。

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