第163話 班決め
「誰かいないんですか?彼女を自分達のグループに入れてあげようという人は!」
ついさっきまでの雰囲気とは違い、クラスの中はピリピリとしていた。
──生徒達による自由な班決め
それは、仲良し同士で固まることができるイベントであり、それと同時に友達の少ない人やぼっちな人にとってはできるだけ避けたいイベントだ。
もちろん、こんな時代にぼっちなんていない。
友達の1人くらいいるだろう。
そう思う人もいると思うけど、実際私たちのクラスにはいるのだ。
星宮咲美子。
彼女は入学から1度足りとも口を開いたことがないと言われているほど無口で実際私も、星宮さんが話しているところは見たことがない。
もちろん、そんな彼女に友達がいるはずもなく……
「誰かいないの!?星宮さんが可哀想じゃない!」
今は、そんなこんなで1人余った星宮さんをどの班が迎えるかということで教卓の前でクラス委員長の折木さんがみんなに声かけをしているところだ。
しかし、クラスの女子は合計で19人。1班辺り6人の3グループなのだけれど、この6人というのが絶妙な人数でクラスの女子グループが、3人グループの2つが合わさって1グループになっていたり、普通に元から6人のグループが集まって班ができたりなどしていてなかなかその中に、話したこともない人を迎えずらい雰囲気となっていた。
そんな中で、どこからともなく声があがった。
「それなら、折木さんの班にいれればー?」
そしてその一言から、火のついたクラスメイトが次々にそうだそうだと言って折木さんを追い詰める。
結局折木さんの班に星宮さんは入ることになってしまうのだった。
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