第134話 恋人
「……え?」
いつも寝ているベットより寝心地のいいベットで目を覚ますと、隣で横になっている心夏と目が合った。
「おはようございます、葉幸くん。
どうしたんですか?
なんだか面白い顔をしていますよ?」
「なんで心夏は僕のベットで寝てるのかな?」
「え〜っと、恋人同士なのでこれくらいはいいかなって思ったんですけどダメでしたか?」
恋人?僕と心夏が?
「どうしたんですか?もしかして、昨日のこと忘れちゃいましたか?」
「昨日のこと…?」
言われて、昨日のことを思い出そうとしてみたものの何も思い出すことはできなかった。
「葉幸くんが夜の砂浜で私に告白してくれて、そのまま近くのこのホテルで2人で泊まったんです。
私、葉幸くんの告白とても嬉しかったんですからね?」
心夏は恥ずかしそうに頬を赤くしてそう言った。
確かに言われてみればそんなことがあった気がしないこともない……
「て言うことは、僕達は付き合ってるってこと?」
「さっきからそう言ってるじゃないですかぁ。
もうっ」
僕と心夏がそんな関係に……
(なんというか、現実感があんまりない……)
「葉幸くん」
「どうした?」
心夏は恥ずかしそうにもじもじとしていたが、意を決して顔を上げた。
「私達、恋人同士になったんですし──」
心夏はそう言うと、
ゆっくりと僕に顔を近づけてきて……
「これくらいのことなら、してもいいですよね?」
「い、いきなりは……ずる…い……ん?」
いつも通りの寝心地のベット。
そして心夏は……
「はさち……くぅん………」
僕にピッタリ密着して抱きついていて、まだ眠っているみたいだった。
「なんだ夢かぁ……」
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