第133話 一緒に

「葉幸くん、そろそろ寝ませんか?」


「そ、そうだね。もう11時だし……」


少し名残惜しくもありましたが、私は葉幸くんから1度離れて葉柚さんにメッセージを送信します。


『本当に大丈夫なんですか?

さすがにやりすぎだと思いますし、もう十分だとおもうんですけど……』


すると、すぐに返信がありました。


『いいのいいの。やりすぎるくらいがさちくんにはちょうどいいの。だからもっとやっちゃっていいと思う!』


(も、もっとですか!?

これからやれることと言ったらもうあれしか……)


「宝田は──」


「心夏です」


「……心夏は、ベットで寝たい?それとも今から布団だすけどそっちで寝たい?」


(こうなったら、「当たって砕けろ」ですね……)


「葉幸くんと一緒にベットで寝たいです」


「え?」


「私、抱き枕が無いと眠れないんです。だから葉幸くんと一緒のベットで寝たいです」


「いや、でもそれはさすがに……」


さすがの葉幸くんも、困った顔をしています。


(やっぱりやりすぎですよこんなの……)


でも、もう言ってしまったものは仕方ありません。


「抱き枕がないと、葉幸くんがいないと、私は寝ることが出来ずに明日を迎えてしまいます。寝たいのに眠れないんです。この気持ち、葉幸くんなら分かってくれると思ったんですが……」


葉幸くんも、最近は学校で眠らずに授業を受けていますし、そんな思いをしていると思います。


少しずるい気もしますが、情に訴えかける作戦です。


「分かったよ……。でも、今日だけだよ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る