球技大会1日目も無事に終わって、後片付け係になっていた私は現在、同じ後片付け係の葉柚さんと一緒に休憩しているところでした。

｢惜しかったなぁ〜｣

｢最後は凄くドキドキしましたよ……｣

20-20の同点で最後の1点を決めた方が勝ちという状況にまでもつれ込んだ私たちの試合は、最後の最後に葉柚さんがサーブミスをして終わりました。

｢後から考えるともっと悔しくなってきた！！｣

｢なら、また今度みんなでやりませんか？｣

確か、近くに市民体育館があったと思います。

市民体育館なら葉幸くんでも一緒にはこれると思いますし……

｢いいね、それ！マーちゃんも誘って5人で行こう！｣

マーちゃんはロータスさんの事です。マーガレットは長いので最初の方をとってマーちゃんです。

｢そういえば、葉幸くんと葉柚さんってバドミントン経験者なんですか？

2人とも凄く上手で、星梨さん達にも引けを取らないくらいに見えたんですが……｣

私は、今日1番の疑問を葉柚さんにぶつけてみることにしました。

葉柚さんの方は、学校内でも運動神経は学校内一と噂されるレベルでしたし不思議はないのですが、葉幸くんに関してはいつも寝てるばかりなのでかなり意外なところでした。

｢うん、私とさちくんは昔バドミントンやってたよ。

小さい頃にさちくんと私が｢楽しそう、やってみたい！｣って言ってるのを見てママとパパがクラブチームに入れてくれたんだよね｣

｢クラブチームですか？｣

｢うん。でも、さちくんがそのクラブでちょっと一悶着あってね……。それで辞めてからは、ずっと今みたいな感じなんだよね｣

｢そうなんですね……｣

『一悶着』というところは気になりますが、葉柚さんの顔を見る限りいい思い出ではないようです。

嫌なことはあまり話したいとは思わないはずでしょうし、ここは聞かない方がいいのでしょう。

｢でも、意外だったんだよね〜

あの時からバドミントンだけはやりたくないって言ってたさちくんが、まさか心夏ちゃんのおかげでまたやってくれる日が来るとは思わなかったよ｣

｢私のお陰、ですか……？｣

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい