第79話 友達感覚
「か、簪さん。お風呂上がりました……」
「おぉ!かっわい〜!」
さちは可愛らしい黒のワンピースを身にまとってリビングに戻ってきた。
なぜワンピースかと言うと、その1着だけ私がまだ着たことがなかったものだったからだ。
「なんか落ち着かない……」
「いいよいいよ!似合ってるし!」
「いや、これが似合ってるって言われても全然嬉しくないからね?」
さちには1度こういう格好をさせてみたいとは思っていたけどまさかそんな時が今やってくるなんてね……
「じゃあ私もお風呂入ってくるから。
テレビとか見てゆっくりしてて」
そう言って私はリビングから出てお風呂に向かった
20分後……
「たっだいま〜!って、寝てるし……」
お風呂から上がって戻ってきてみればさちはもうソファーに座ったまま眠ってしまっていた。
「私、もしかして女と思われてないとか……?」
普通に考えて、男子が女子の部屋に2人っきりでお泊まりする時に先に寝ちゃうとかありえないよね?
いやまぁ今まで泊めたことなんてないんだけど……
──でも、それなら私にだって考えがある。
(さちは友達みたいな感じで泊まりにきてるわけだし、私も友達と泊まる時みたいにしたって何も悪くないはずだよね?)
そうと決まれば行動あるのみだ。
「よっ……って軽すぎじゃない?
心配になるレベルだよこれ……」
こうして、私の「友達感覚作戦」は幕を開けるのだった
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