第39話 美少女の計画 1
ご飯を食べ終わったあと、私たちは当初決めていた通りに水着店を訪れました。
これは計画の一番最初の段階。
葉柚さんには既に協力して貰えるように話をしていますし万全の体制です。
「計画」なんて言い方ですがやる事は簡単です。
水着店で葉幸くんに私が何着か試着した水着の中から1つ選んで貰って、その後にさりげなく夏休みにプールに遊びに行く約束を取りつけるというものです。
私が葉幸くんの事をもっと知って、友達になりたいという相談を葉柚さんにした時に、
「それなら夏にプールに行くのはどうかな!?
やっぱり男女の仲が深まるのにはそういうイベントが大事だとおもうんだよね!そのためにはまず水着!」
と言っていたことから今日ここに来ることに決めていました。
「なんで僕まで……」
「まぁまぁ!いこーよ!」
「……まぁいいけど」
やはり男の人的には、女性ばかりのこの水着店というのは居ずらい雰囲気で私は断られるのではないかと思っていたのですが、案外あっさりと葉幸くんは折れてくれました。
──葉柚さん、凄いです!
「ここで待っててね!」
「はぁ……。りょーかい」
試着室前まで連れてこられた葉幸くんはため息を吐きながらも椅子に座って待ってくれるようです。
──さて、私も選ばないとですね!
「もしかして……心夏ちゃんって服選びオンチ?」
「えっと……
友達からはよく言われます……」
「じゃあ今日きてきた服って誰かに選んでもらった、とか…?」
「はい、友達に……」
選び初めてからわずか3分。
私は2着の水着を持ってまずは葉柚さんの審査を受けに来ましたが残念ながら評価は最悪、ダメ出しの嵐でした。
(私はいいと思うんですけどね……)
私の手には灰色のゾウさんがデザインされた水着と同じく灰色の、サイさんがデザインされた水着があります。
「そんな、なんでダメなんですか?みたいな顔されてもダメなものはダメだからね?」
すると、葉柚さんは持っていた3着の水着を私に渡してきます。
「とりあえずこれ着てみて。私が心夏ちゃんに似合うと思って選んだのだけど、心夏ちゃんが選んだのは絶対に着てみちゃダメだからね?」
「わ、分かりました……」
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