第37話 お昼ご飯(2)

「浜辺くんは何を食べているんですか?」


大きさは私と同じくらいなのですが、具が私のものとは違って、ベーコンなんかがはみ出しています。


「たしか、ベーコン……なんだったかな?」


「それベーコンエッグバーガーだよ!」


「そうなんですね……

なんだか美味しそうですね」


私のものも美味しいのですが、やっぱり他の人が食べているものというのは何故か美味しく見えてしまいます。買った後に友達のものを見て「やっぱりこっちにしておけば……」なんてことよくありますよね。


「じゃあ…食べる?」


「え?」


浜辺くんはハンバーガーの食べてない方を向けて私に差し出してきます。

このまま食べて、ということなのでしょうか…?

でもそれって……


「いや、食べたそうにしてたから」


「い、いえいえ大丈夫ですよ!また次来た時に頼みますから!」


「そ、そう?ならいいけど」


浜辺くんは特になんとも思っていなさそうな顔で、ベーコンエッグバーガーをパクリと1口たべています。


(もしかして「あれ」を気にしていたのは私だけだった、とかですか……?)


い、いや!でも気にしなさすぎるのも問題だと思うんですよ!浜辺くんはそういうところ直すべきです!


「そう言えば、心夏ちゃんってさちくんのこと浜辺くんって呼んでるよね?」


そんな私の内情を知ってか知らずか、葉柚さんは質問を投げかけてきます。


「そうですね。でもそれがどうかしたんですか?」


「いやね?私も一応浜辺だからさ?心夏ちゃんはさちくんを名前で呼ぶべきだと思うんだよね。うん」

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