第31話 変態百合同士のイかせて絶頂勝負!
<前回あらすじ>
みんな~、わたしシスコン百合の[もみじ]でーす!
右も左も百合だらけっ、な百合ノ島で百合百合生活をしてますよー!
そんな百合ノ島を支配しようとする《深紅の百合》との五番勝負が開始!
そしてわたしの親友[いぶき]ちゃんが乳首当て勝負で勝ったの! さっすがだよー!
これで一勝、あと二回勝てば百合ノ島の勝利だよー!
でもさっきから感じるの! わたし共々選ばれたメンバーの中から、じとぉーってこちらを舐めまわすような視線を……
♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀
百合ノ島の先勝にスッゴイ盛り上がりー!
うっふっふー! さてさて、《深紅の百合》はどうなってるかなー? 仲間内でしょんぼりお通夜になってるかも。どーれ――――ってメッチャ険悪になってるんですけど! いつ喧嘩になってもおかしくない雰囲気なんですけどー!
「こんなことをやってる場合か、キミたち!」
空気が引き締まる鋭い声!
その声の主は《深紅の百合》メンバーのひとりだった。
宝塚の男役みたいな凛々しい百合、まとめたパープルロングヘアを左胸に垂らすというロックな髪型、すらりとしたスタイルでおっぱいも大きい! 超カッコイイんだけど何故かボンテージ姿。
うひゃ! そのボンテージ百合がハイタッチするみたいに、≪深紅の百合≫メンバーへポンポンキスしていくー!
いぶちゃんに負けてどこか腑抜け気味のリズちゃんも天使の笑顔!
クレちゃんもそんなボンテージ百合を高く買ってるみたい、薄っすら笑みを浮かべてるよー。
何か怖いし、手ごわそうな百合、対戦したくないなー……。
「さてー、二回戦行きますよー。対戦方法決めよーじゃありませんかー!」
燕奈さんの声にクレちゃんと燕佐さんが箱に手を突っ込んだ。
そしてクレちゃんが引かれた紙を掲げる。
“絶頂させる”
何その勝負方法!? っていうかこれ完全あの人の提案で書かれた紙でしょー! あ、燕奈さんが引いた紙を見せたー。
“イかせる”
被ってますけど! ≪深紅の百合≫にもあの人みたいなド変態いるのー!?
「おおーっと! これは同じ勝負方法ということでよろしいでしょうかー?」
燕奈さんが巨大スクリーンに体を向けると、びっしり画面に映る百合の面々が一様に頷いていた。
「ということです! イかせる絶頂させる勝負の選手、こちらまで来てくださーい!」
わっ! あのボンテージ百合が歩いてきたー!
すっごい自信に満ち満ちな足取り、舌なめずりしてるし、強敵っぽいなー。
でもどうだろ、こっちのあの人も変態にかけては島随一だけど……って、ひゃわっ! 耳の後ろに吐息ー!?
飛び上がって振り向くと相楽さんがいた。
それにわたしは素早く距離を取った。
当然といえば当然! この人の家に妹のちいゆと行ったら、閉じ込められちゃうし、あやしいローション山積みだし、コスプレ衣装満載だし、その挙句、監禁百合プレイに染め上げられるトコだったんだからー!
「何でそんなにつれないの? わたしを身動きできないようにしてから、あんな気持ちいいコトしてきたのに……」
ぞぞぞっとなる。
「そ、それ、わたしに憑依したティルダさんがやったことですよー! っていうか、手首捻って床に押し倒されたの、そんなに気持ちよかったんですかー!?」
「ええ、良かったわ……ホントは手首折れても良かったんだけど、利き手でオナ(ピー!)できないのは辛いから」
太腿をぴっちり閉じて腰をもじもじさせる相楽さんを見てこう思う。
肩に触れる長さのウェーブヘア、泣き出す直前みたいな憂いを帯びた目、くっきり整った顔立ち。
前にネットのイラストで見た美の神アフロディーテそっくりなのに、精力絶倫なド変態なんて残念過ぎる。
「あの……相楽さん、まだ恋人募集中なんですか?」
「え? きゃっ! やだもう! 全然募集中よ! 言ってくれれば即座に恋人成立よ~!」
なんか勘違いしてるー! 勝手にわたしが告る展開予想してるー!! やっぱりこの人こわっっ!
「いえその、これから勝負するあの人なんてどうかなー、なんて……」
相楽さんがわたしの指さす方へ顔を向けた。
「あら英国製のブランドボンテージじゃない、見事な着こなし方ね」
社交場の優雅な貴婦人みたいな言い方してますけど、普通に変態発言ですよ。
「ど、どうです……か?」
「そうねえ……」
じーーーっとボンテージ百合を見詰める相楽さん。
憂いを帯びた目なので、切ない片思いをしている百合みたい。
「ああ、困ったわ……」
「え! な、何がですか?」
「わたし、あの百合の“受け”になった方がいいのかしら? “攻め” がいいかしら? いつもなら見た瞬間わかるのに、こんなの初めてよ……」
知りませんよそんなのー! っていうかわたしの場合はどっちだったんですかー!
「百合ノ島の対戦者のかたー、早く来て下さーい!」
やばっ、燕奈さんとボンテージ百合がこっち見てる!
「て、手合わせすれば判るんじゃないですか、それより早く行った方いいですよー」
そう言うわたしに微笑んだ相楽さんがボンテージ百合に向かって歩き出した。
……あんな素敵な笑顔するのに、精力絶倫のド変態なんだもんなー、ホントに残念……って何考えてるのよ、わたしー!
そんなドキドキを胸に向かい合ったふたりを見詰める。
「初めまして、わたし相楽茉莉(さがらまつり)っていうの、よろしくね」
「ふっ、ボクはアヘリーナ・ユリンスキーだ、アヘちゃんって呼んでくれ」
またですよ! クレちゃん、リズちゃんに続いてアヘちゃん。
っていうかアヘちゃんて何かアヘ顔想像しちゃうんですけど……。
「それでは二回戦、先にイかせるか絶頂させた方が勝ち、を開始ー!」
先に動いたのは相楽さんだった。
「アヘちゃん、お手を合わせましょう!」
ちょ! 相楽さん、わたしの言ったこと真に受けての突進ー!?
あ、アヘちゃんがボンテージの胸の谷間に手を入れた。
「残念だけど、ボクは無抵抗の百合にしか興味ないんだ」
そう言ったアヘちゃんが谷間から出した手を、突っ込んできた相楽さんのお腹に押し当てた。
「あっひぇぇ!?」
ブリッジするみたいに仰け反った相楽さんが、そのまま背中から倒れたー!?
あ! アヘちゃんスタンガン持ってる! きったない!
「どれ、このまま神技と誉れ高い、ボクの指と舌で絶頂させてあげるよ」
あんな口調のくせに、やることはとんだゲス百合だよー!
「相楽さん立ってー! 精力絶倫でしょ、立ってー!」
そんなわたしにアヘちゃんがちらっと目を向けた。
「キミがこの百合の伴侶かい。残念だね、お詫びのしるしにここで彼女が快楽液まみれになって絶頂する様を見せてあげるよ」
完璧違うんですけどっ! 何言ってるのこのゲス百合ーー! って――――。
「子宮までビリビリ来たわ……もう、不意打ちでそんなコトするなんて」
相楽さんが起き上ったー!
「バカな! くらったら一時間は身動き出来ないはず……」
そんなゲス百合なアヘちゃんの腕を掴む相楽さん。
「一瞬イきそうになったじゃない! でもまだよ、まだまだ足りないわ」
やったー! 変態の矛先がこっちじゃなく敵に向けられるんなら、これ以上頼りになる百合いないわー! というトコで次回に続くよー!
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