178.ブルーピリオド 11巻/山口つばさ

 今回は~!

 表紙が佐伯せんせい! ガラスペン! 一体このお方はどういうプロセスを経てこのやうに人にやる気を出させる美術の先生になったんでしょうか…… つかこういうせんせいに教わりたかった(T_T)

 の、美術教室にバイトに行く八虎と橋田だけど。


 高学年の二人の一癖ある子供それぞれの問題にそれぞれがひっついてく話。

 八虎は何つーか、そもそも彼自身が美大目指すまで「自分」を持ってなかった様な奴なので(だが器用)、ガキと接することで自分も見直すことになって良かったね展開。

 そう、確かに「手を出される」と本気で嫌になる。

 自分も小学校の時母親に絵で手を出されたことがあったし、日記(隠しているものだ普通は)のポエムを見られて「いいじゃない!」と褒められたことは未だに根に持っている。

 だからまあ、親とか先生という奴の悪意の無い「お手伝い」に何とか抵抗してきたんだけどね。

 あれはあかんて。

 他にも家庭科とか、結構よくあった「課題を親にやってもらった」も断固拒否したせいで五段階の「2」だったけどそこは後悔は無い。手伝ってもらって「5」とか取ってたら絶対出来上がったものを引き裂きたくなるだろうし。「これはワタシの作品じゃねえ! 見るな!」って感じで。上手くできることより、作品とかそういうので嘘つく方が嫌だったな。

 これがまあ、放課後の運動とか、部活さぼるために嘘つくのはやったけどね。そっさちの嘘は嘘で自分を守るためだったけど。


 で、橋田が見た子の方は何つーか、橋田には原因が見えてはいるんだけど現実的に、どうしようもないというか。

 悪意の無い、判っていない親の微妙な台詞の裏を嗅ぎ取る敏感な子供が、認めて欲しいから次々と習い事やって、できないできないとなってしまうのは…… 辛いなあ……

 で、リハビリ的にセッションした絵をまた実に無造作に物理的に「半分」にしようとした父親…… これは辛すぎた……

 わからないひとのために描いても何にもならないんだよ…… さえちゃん…… この時の目が辛い…… 辛すぎる…… 

 橋田が滅多に無い怖い目で父親の手を止めても意味がわかっていないんだから。

 何とか八虎が「現実的に」繕ってくれたのはぐっじょぶ。さすが「父兄ウケのいい男」。

 だけどその後のさえちゃんうずくまってしまった時の父親の判っていない顔が…… 悪意が無いだけに…… はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……


 いやこの回、つかまだ雑誌で出てる話なんだけどさ、コミックDAYSの雑誌丸読みで読んでた時にも辛かった……

 そして辛いが故に、そこがまたええんだけどな!

 おまけで中学に入ったさえちゃんらしい子がまた絵画教室に顔を出す訳だけど。さて捨てた中からこれだけを残してくれたならいいねえ。

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