血に飢えた獣達の唄
BlackAbyss
第1話 戦争とは無縁な全く平穏な日々だ
………
とある軍の兵舎で
〜♪
「ん…ぅ……」
うるさいほどに響く
背を伸ばせばボキボキと骨が軋む
珍しく昨日の夜は寝てしまった
「起きろよー朝だぞーー!!」
「「「ふぁーい……」」」
「もう朝か…」
呼び掛けと共にバァンッ!!と扉が勢いよく開かれた
耳が痛い…
「私はまだ寝ててもいいよな?」
扉を開けた獣人に向かって声をかける
「別にいいぞ、だって死んじゃうもんな」
「しきかぁん…私達もねたーい…」
「し、指揮官…僕も眠いです……」
「ほら、早く起きないとそこの小さな可愛らしい獣が起きてしまいますよ」
「お前は黙っていろナルシストめ…」
「あー、ほらお前ら4人とも朝礼に行くんだよ」
ポニーテールの女性軍人が最初に口にすれば気弱で貧弱な男性軍人も眠いと口にする
そしてオマケにこのナルシストだ
私の事を小さな可愛らしい獣だと?
バカにするなと言いたくなる
だが、相変わらず目の前でぎゃいぎゃい朝からうるさい奴らだ
そう思いながら日に当たらないよう細心の注意を払いながら布団を被る
「軍服は後でいいか…洗濯しなきゃな…」
そうボヤきながらゆっくり目を閉じ眠りへつく
なぜ日に当たらないよう細心の注意を払うのか
それは自分が吸血鬼と獣人だからだ
どこの世界でも定番なように吸血鬼は日に当たれない
まぁ、死ぬのは目に見えている
「
「ん"んぅ……静かに取って言ってくれ…」
また突然開かれた扉から数時間前に出ていった部下が入ってくる
全く、イリアーナ…こいつはいつもうるさい奴だ…
「失礼しましたー!また夜によろしくお願いしますね!!」
「あーうるさい…早く出ていってくれ…!」
どうも昼間は起きれない
獣人、しかもオオカミなのもあるのだろう
…とは言ったものの獣人である部分は耳と尻尾だけ
一番最初に扉をぶち破らんばかりの音を立てて開けてきた獣人とはかなり違う
あいつは姿も毛むくじゃらの獣人だ
まぁそんな事はいい今はとにかく眠い
さて、今度こそゆっくり寝るとしよう…
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