Scene10 -3-
ガイファルドに酷似した未知の巨人。強大な戦闘力は今後の戦いの熾烈さを予感させる。三人はその巨人との戦闘を思い出しつつ博士の言葉を待っていた。
「まず、あの灰色の巨人はガイファルドではない。太古の昔に人類と敵対していた戦闘巨人兵器らしい」
太古の昔に人類と敵対していた巨人兵器。あまりに突拍子のない内容にアーロンと柳生以外は固まっていた。
機械虫はその巨人が従えていた端末であり、人類を駆逐するために世界に広げていたのだろうと博士は推測した。
「他にわかったことは、あいつはその巨人兵器の中で第四位の階級だということだ。戦闘スタイルやその特性から便宜上あの灰色の巨人をウォリアーと呼称することにする」
「階級? ウォリアー?」
「これを見てくれ。わかりやすいように表にしてきた」
博士はスクリーンの画像を切り替える。
五位 ウィザード
四位 ウォリアー
三位 バーサーカー
二位 インペリアルガード
一位 セージ
「セガロイド?」
表の一番上に書いてある文字を見てエマが語尾に疑問符を付けた。
「階級と同じで僕が勝手に付けた名前だ。ガイファルドと同じでアクロスティックを使ってみた」
【
「解読したらこんな感じの意味だった。まぁ言葉遊びだがこっちも割とハマってると思う」
「確かに鎧は着てましたけど」
「博士、質問いいかい」
ルークが小さく挙手し、博士は眉を上げる。
「今、解読したらこんな感じの意味だったって言ったけど、いったい何を解読してるんだ? 今まではそんなに興味なかったから突っ込まなかったけど状況が変わってきたからな。エマは少し知っているように感じてたけど、そろそろ俺にも教えてくれよ。アクトも知りたいだろ?」
「あ、あぁそうだな知りたい。最初は機械虫はどこから来て何が目的なんだってくらいの疑問だったけど、セガロイドって奴も現れたしガイファルドのことだってもっと知りたいです」
アクトはルークに同意を求められたことに乗っかり、ついでに思っていたことを博士に伝える。
博士がアクトやルークにも言えないことがあると以前ロボタウンの車の中でアクトに話したが、なぜ言えないのか、どのようなことについてなのかまでは言わなかった。だが、人類の敵対者であるあの巨人の存在が発覚したことで、隠し続けるわけにはいかない状況に変わったのだと博士自身も思っていた。
博士は一息ついてから一通り皆の顔を見回した。
「博士、私から話そう」
話しづらそうな博士に変わってアーロンが席を立ち話し始めた。一同はアーロンの話しに耳をそばだてる。
「今から十数年前……、冒険家だった私はとある場所で遺跡を発見した。その遺跡は明らかに現代の科学技術を超える高度な文明だとひと目でわかるほどの代物で、見た目には破損や劣化した感じはなく機能も保っていた。その遺跡から読み取れた情報は最大で一万年以上前の物だった」
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