終末の世界
水色の雨
第1話「終末の物語」
今の東京の町は崩れ、ビルは崩壊しかけていて、道路などからは多少の草木が生えている状況だ。何も東京に限った話ではない。日本いや世界中がこうなのかもしれない。いわゆる「終末期」というやつだ。
今日はなぜそうなったのかを少し話そう。そうあれは忘れもしない2020年の夏。俺はそこから世界の歯車が狂いかけたのだと思う。
そういえばあの日も今日のように太陽がギンギンと照っていてとても暑い日だった。
TOKYOオリンピックの延期が発表されてから4か月ほどたったあるひ、その日はとても暑い日で外で遊びたくなるような日だった。しかし新型のウイルスが蔓延し世界中でパニックおき、その感染拡大を防ぐために外出自粛が政府によって命じられていた。東京の新宿や渋谷ですら外に出歩いてる人は少ないという状況だった。
そんな中でも人々が自粛をしていたり政府の言うことを聞いていたのは2年もすれば新型ウイルスの特効薬ができなおかつ大量生産できこのパンデミック的状況を何とかできると公式に発表していたからだ。
このニュースを見て人々は「2年の辛抱だ」「少しの間の我慢」などと考えできるだけ家の中などで過ごしむやみに人と会わない。ということを徹底して2年を過ごしていた。しかしその薬の量産ができるといわれていた期間が過ぎても一向に政府からは何の発表もなかった。3年目に突入しようとしていたある日ようやく政府からのニュースがあった。
そのニュースの内容は、現首相からのものだった。
「我々政府は各国首相同士の会談で人類を選別し火星移住計画をこの2年で進めていた。薬の開発など行っていない。我々は人類を見捨てることにした。なおこのビデオが放送される頃には我々はすでに地球を経っている」
と言い残し、テレビのチャンネルは砂嵐になった。いな砂嵐にしたのだ。
俺は現首相が最後にに奴いたように見えたのがとても印象に残っている。
その日世界各国で暴動が起き、懸念されていた食料問題で前代未聞の首相がいない第三次世界大戦が起きた。誰が名前この大戦のの前を付けたわからないがいつのまにかそういわれるようになっていた。
でももし俺がその大戦に名前を付けるなら、
「世界丸ごと戦争」
となずけるだろう。
この出来事は第三次世界大戦と呼ぶにはあまりにも第一次世界大戦、第二次世界大戦がしょぼいものだと思い知ったからだ。ポンポンと落とされる原爆や水爆などだ。
これが起きたのはテレビの放送を最後にして一年後くらいだったと思う。その間にも日本、アメリカ、中国、ドイツなどあらゆる国で暴動などが起こりみるみる国力は低下していった。そんななかでの、第三次世界大戦だ。どの国もじり貧なのは間違いないはずだ。
しかしある国はそんなかないち早く世界の状況を理解し人々をまとめ上げた。仮にその国をXと呼ぶ。
いやそれは組織というほど小さなものでもないがそのXという国、は完全に弱っている国をみるみる制圧していった。制圧というのはその国を復帰不可能な状況にし、めぼしい人材や情報などを持っていき専門分野にたけた知識を持っている人を大量虐殺した。残された無力な国民はその後当然何もすることはできないのが現状。
突拍子もない噂によるとそのXという国は新型ウイルスの特効薬を量産しているという。しかもかなり裕福な生活が遅れているという。
そんなXという国がどこにあるかは誰も知らない。
そりゃそうだ。日本、いや世界ではもう電機も通おっているところもなく完全に原始人の生活に逆戻りしているからだ。電車はもちろん車も動かせない。探しようがないのだ。
俺はあの相対性理論などの業績を上げたアインシュタイン氏の言葉を思い出しその言葉の意味を今になって知ることになった。その言葉は、
「第三次世界大戦はわかりませんが、第四次世界大戦ならわかります。石と棍棒でしょう」
というものだった。Xという国がなくても今の現状は変わらなかったと思う。
要するに今の国民は、何とかストーンのように一気に発展していけるということはありえない。専門分野などに関する書物なども暴動の時に奪い合いその末焼けたりXという国が持っていき使わない分を燃やしていったため本当に発展することができないのだ。
だから俺はとりあえず畑作業をすることに決めた。
この終末の世界では科学的に発展することができないと理解した人々はとりあえず比較的できそうな畑作業をする事にした。
こんな世界になってからは、車はあるがガソリンほとんどないので、移動手段は常に自転車だ。
と言ってもどこに行っても特に何かあるわけではないのでそんなに移動するということはないのだ。コンビニやスーパーには食料品なんてほとんど残っていない。いや残っていない。残っているとしたらそれはすでに腐っているものだ。
街には野生動物などが進出し始めてきて脅威は略奪目的の人間だけではなくなっている。
そのため生き残っている殆どは銃器などを所持して生活を送っている。俺はむやみに人を殺めたりはしないが、中には錯乱し、人を殺める者や人殺しを楽しむものなども出てきた。問題はそれだけではない。
電気や水道何もかもが止まって街に動物や人間の糞などがいたるところに転がっていてとても臭い。死体も転がっている。さらに南海トラフ巨大地震も起き巻き込まれた人もたくさんいただろう。しかし電気がどこにもつながっていないので一切ニュースにアンることはなかった。
生活水準の大幅な下がり具合によって第三次世界大戦は生き残れたが、自殺したものも多くいる。
しかし地球にとって一つだけ解決した問題がある。それは地球温暖化だ。もちろんXという国は排気ガスなどを大量に出しているだろうが、そのだけでは地球にとってさして問題にはならない。
俺の家は特別裕福というわけではないが、何か起きた時のために地下に簡易的なシェルターがあった。そこを基準にしてなるべく人と会わないように生活している。人と会えばこんなご時世問題が起こったり食料をめぐって殺し合いが起きるかもしれないからだ。
「星空が綺麗だ」
町明かりがなくなったことによって星空が鮮明に見えるようになった。
もし、もしだあの時に戻れたら俺は何かできただろうか、日本に、いや世界に危機を伝えられただろうか、無理だな。俺一人なんかあの2020年の夏に戻っても何もできない。俺はそういう人間だ。もし戻れるとしたらこの崩壊した世界で生き抜くための準備をもっとしているくらいだろう。結局俺は何もできない。
っとこれが世界がこうなった原因だ。こんな俺のへたくそな話を聞いてくっれてありがとう。またどこかで会う日まで……。
終末の世界 水色の雨 @mizuironogarasu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます